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1292.教員の初任者指導の困難さが,一層深刻になっています!

 我が子の先生が,初任者だったとしたら,その先生は堂々と自信をもって指導してくれていますか?
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 私は,中学校で自分の教科の指導もしながら,教務主任の仕事を初めてした時には,楽しくて仕方がありませんでした。
でも,その仕事は激務で,教務主任の仕事を「1年を通じて行うこと」,「月ごとに行うこと」に分けて,事細かに記録をまとめて行きました。もちろん部活指導も,朝晩と休日に行っていました。

 2年目は,記録を見ながら,自分なりの工夫も入れて教務主任の仕事を行っていきました。忙しいのだけれど,とても充実していました。当然,部活指導も教科指導もこなしていました。

 3年目には,当時でも,初任者指導の担当の先生が確保できなかったのです。
「初任者指導をする先生が見つからないのだけれど,初任者の理科と美術の教員は,本校に来る。あと一人は,他校の国語の教員に出向いて指導することが決まっている。だから,誰もいないから,教務が担当せよ。」
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という無茶ぶりの校長先生の判断で,私がその仕事も兼ねて指導することになったのです。
(信じられない。私に死ねと校長は言うのか!)
と半ば恨むような気持で,年度初めが始まったのです。

この頃は,初任者指導の担当の教員は,その初任者指導の仕事だけを行っていればよかったのです。他の公務分掌等をもつことはありませんでした。もちろん,教科担任になることもありません。それくらい大変な仕事なのです。

担当する人数は,2~3人でした。授業の仕方・見方,教材研究の仕方,生徒指導の方法,公務分掌の取り組み方などを指導するのです。

小学校と違って,理科や美術や国語の専門的な指導もしなければいけないのです。理科の授業を見たり実施したりするのは,本校の理科の教員にも協力を得ました。自らも指導しながら,連絡調整の仕事も行うのです。

美術は,私の得意な教科なのである程度は指導できるのですが,専門的な面では,美術の先生に指導をしてもらう形式をとらなければいけなかったのです。それで,他校の美術の先生の指導を見たり実修したりする場を私がコーディネーターとして調整するのです。
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また,他校の国語の初任者は,私が見本を見せたりし指導しに行ったりしたのです。普段は,その学校の教務主任に見届けをお願いしました。

こうした手本の授業や実修の授業以外は,初任者には自分の担当するクラスの授業も担わせたのです。
「よく,そんなことができるね。」
などと他校の教務主任から,私の激務を憐れんでよく言われました。やるしかなかったのです。

 でも,このことから現在の教員不足を考えてみたいと思います。



【教員不足から考えられる困難点】
困難点(1) コーディネートする教務主任などは,一層厳しい状況にある。
 教務主任と初任者指導を兼ねることは,小規模校でない限りないとは思いますが,学校で欠員が出れば,補充の教員が見つかるまでは教務主任は真っ先にそれを補うことをするのです。
 そんな教務主任に,初任者指導を直接指導はしなくてもコーディネートさせることは,時間的に難しいのです。
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困難点(2) 初任者指導の教員も担当する初任者の人数が増えている。 
 私が初任者指導をしていた頃は,3〜4人でしたが,岐阜県では今,5〜6人などと増えています。それは担当する人がいないので,多くを掛けもちしているという状態なのです。
 本当にじっくりと1年間指導をし,見届けられる人数なのでしょうか? 
 そうだとしても担当する教員は,忙しいことは言うまでもないのです。多くは,退職した校長などが担当する場合が多いのですが,負担に感じられたら,やめられてしまうのです。
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困難点(3) 初任者指導を担当する教員の確保ができなければ,初任者は自己流になる。
 初任者を採用したものの,初任者指導者が確保できなければ,「自己流」に任せることになります。まだ,学年会が機能していたり,管理職がこまめに指導したりする学校はよいのですが,管理職も多忙感のために対応できなければ,
「あなたの思うように,やりなさい。」
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という悲しい実態となってしまうのです。


困難点(4) 他校に研修に行こうとしても,面倒を見てもらえない。
 中学校の大規模校での初任者指導ならば,教科担任が複数いるので,その学校の中だけで,教科指導をしてもらうことができます。でも,中規模校や小規模校では,それができません。
 そうなると,他校に研修に行くということになるのですが,他校の教科担任がいなかったり,余裕がなかったりした場合は,受け入れてもらえないことになります。この場合も,
「あなたの思うように,やりなさい。」
などという無責任な言葉となってしまうのです。


困難点(5) 自校であっても,面倒を見る余裕がない。
 初任者指導の教員が自校の教員と別枠で配置されるのならばよいのですが,その学校でやりなさいといったことになると,もはや対応をする余裕がなくなってしまうのです。

 このようなことが,現に起きているのです。前回,「1288.『1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常!』についての教員の声!」の中で,東京都の初任者の先生が,
「「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常,育成されずに切り捨てられる教員たち」)を読んで,非正規だけでなく正規も同じだと思いましたよ。」
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と言われていたのは,困難点(3)の「初任者指導を担当する教員の確保ができなければ,初任者は自己流になる」といったことだったと考えられます。

 このように,教員の初任者指導の困難さが,一層深刻になっています! やはり行政に教員を確保してもらわないと始まらないことなのです。でも,しっかりと教員が確保されるまで,‟自己流の教員が当然になる”ということも実に恐ろしいことなのです。

(楽しく子ども達と勉強や生活をしたい。)
という夢をもって教員になったのに,現実は大きく違っていたのです。こうした先生方の叫びを各学校からも声をあげて行くのが保護者であり当事者である教員だと思います。特に一刻も早く,校長先生たちと行政との連携を一層期待したいものです!


1291. 子どものことは,‟なんでも学校任せ” ではありませんか?

 子どもが授業を理解できなくても,問題行動を起こしても,「何でも学校任せ」ではいけないのです!
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 こんな極端な困った親さんが,いらっしゃいました。
●例(1) 分団の登校などについて,「指導が悪い」と学校に怒鳴ってくる親
 登下校について,
「うちの子は,分団の子に上手に連れて行ってもらえません。分団のリーダーをしっかりと指導してくださいよ。困っています!」
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 このお母さんは,
(分団のリーダーは,義務で当然しっかりやるべきもので,下級生を指導するのが当たり前,それをうまく指導しないのは,教師が悪い。)
と思っているのです。

 分団の登下校については,安全上学校が関わって指導を入れてはいますが,これは本来,親が我が子を連れてくるもので,親の自己責任なのです。


 分団のリーダーは,善意でサービスを代々上級生がしてくれているだけなのです。気に入らなければ,自分で送り迎えをすればよいのです。何も知らないということは,こんな間違いをしてしまうのです。
 分団の登下校については,
「163. 分団でのトラブルは,親同士の問題なの?」
「64. どうしたら,上級生とうまく通学することができるの?」
「65. どうしたら,下級生とうまく通学することができるの?」をご覧ください。

 でも,こうした親さんは,自分の子が,リーダーになると,今度は下級生の親に文句を言っては迷惑をかけるのです。そのパターンがとても多いのです

 この親さんは,我が子が低学年の時の同級生との帰りでは,
「うちの子は,猛(仮名)さんにいじめられるので,担任が帰りはついて来て,守ってもらわなければいけませんよ。分かっていますか!」
などと,担任にごり押しをして付き添いをさせようとしました。私は管理職として,それは間違っていることを伝えたのですが,大騒ぎをするので,優しい担任は,
「あまり遠い距離ではないので,毎日付き添って行きます。」
と言って実行をしてくれたのです。
 担任の話によると,
「実は,この子が周りの子にちょっかいを出し,危険なことをするので,周りの子を守るために,そうしていた。」
とのことでした。

 私は,この学校から転勤したので,あとで聞いたことなのですが,この子は6年になっても相変わらず変わることなく皆に嫌われていたので,私立の中学校に進学したのです。
 でも,その私立中学校でも浮いて困り果てた子だったのです。つまり,親と全く同じ姿だったのです。


●例(2) 学校から帰って宿題をしないのは,学校の指導が悪いと言う親
 基本的に学校から帰ったら,あとは家の責任なのです。家で宿題をしないのは,小学校1年生からの,あるいは幼児期からの親の対応のまずさが原因しているのです。
 なぜ,そんなことが言えるのかと言えば,35人くらいの子が1クラスにいれば,33人くらいは,ちゃんと宿題をまじめにやってくるからです。多くの子は,
それが,必要だからとか,
やらねばならないものだと思っているか,
楽しいかで,取り組むのです
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 そうした気持ちがないのは,親のせいなのです。それを学校や担任のせいにしているのです。


●例(3) ゲームをしてばかりなのは,学校の指導がしっかりできていないからだと言う親 
 子どもは,ゲームが大好きです。でも,家で取り組むゲームについて,本来学校がとやかく言うべきことではないのです。ただ,
ゲームばかりしていて成績が下がってしまったり,
犯罪に巻き込まれてしまったり,
お金を親のクレジットカードで使ってしまったりといった危険性もあるので,学校でも指導しているだけです。
「学校が,きちっと宿題を出して,ちゃんと見てくれないから,うちの子はゲームばかりしているわ。学校はなっていないわ。」
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 こんなことを平気で言ってくる親さんもあるのです。担任も呆れて,何て言おうかと戸惑うくらいなのです。


●例(4) 親の言うことを素直に聴かないのは,学校で道徳をしっかりと教えないからだと言う親 
 これは,学校の道徳以前のことなのです。家庭で温かく愛され,分かりやすく指導され,褒められて育っている子は,親の言うことを素直に聴くものです。

 思春期になって自我の目覚めから,心と裏腹の行為をする子もいますが,基本的には親を愛し信頼をしているものです。
それがないということは,学校の道徳ではないのです。

 このように4例を出してみましたが,
学校は,何でも身につけさせてくれるところ,
面倒なことは,やってくれるところ,
強く言えば,応じてくれるところといった甘えがある親さんがあるのです。

 最近,教員の働き過ぎや精神病等について述べてきていますが,自分本位の親さんは,いい加減に,気づいてもらわないといけないのです。


 親が,うちの子のここはダメだと思うことは,よくよく観察し考えてみると,親の姿そのものということが実に多いのです。親の背中を見て育っているのです。
(ああ,うちの子は,何て良い子なの。)
と思う時には,親もまた満足して明るい生活をしている時なのです。

 我が子の本来の姿を引き出すには,親もまた本来の良い姿を示していくことなのです。

1290.退職した教員の欠員分は,他の教員が授業を掛けもちできるの?

 現実には,退職した教員の欠員分は他の教員で授業を掛けもちすることはできないことなのです!
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「退職した先生がやっていた授業は,他の先生でやればいいじゃないですか?」
などと,簡単に考えられがちですが,それは,とても難しいことなのです。なぜならば,次のような理由があるからです。

【退職した先生がやっていた授業を他の先生でやれない理由】
理由(1) 4月当初の仕事だけでも多い。
 定員の教員配置で,多くは4月当初,出発をします。近年は,当初から欠員を生じている学校もあるのです。4月当初,決まった定員の配置が行われ,授業が始まったとしても,余裕があるわけではないのです。
 
 いわゆる「空き時間」と言って,各担任や教科担任は,授業がない時間が数時間もらえます。学年や教科担任によっては,0時間,1時間,2時間という方もあれば,7時間といった方もあります。
 7時間といっても中学などでは,自作のテストやプリントづくり,〇付けなどの採点,専門的な教科の指導研究・専門的な教科の教材の準備(特に理科や美術など),受け持ちの生徒の進路に関する個人資料作り等など,多岐にわたります。
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 それに,公務分掌としての担当が少なくても2つや3つは任されます。
 だから,現在の各学校のかつかつの実態では,掛けもちをする余裕などないのです。年度初めからの自分の受けもちだけでも大変なのです

 さらには,子ども相手なので,様々な問題が起こってきます。学力不振・友達とのトラブル・いじめ問題・不登校気味の子への対応・問題行動への対処など,思いもかけないことが突然起こって来るのです。そこに理解の不十分な感情的な親さんが絡んでくると,一層複雑になり,対応も泣きたいくらい面倒なものになって来るのです。そんなことが,大小にかかわらず起きているのです。

 そんな状況の中で欠員が生じると,欠員した方の授業以外のいろいろな担当の仕事が割り当てられてくることになるのです。それは,誰かがその仕事を担わないと,学校が回って行かなくなるからです。
 4月当初からの仕事だけでも,いっぱいいっぱいの仕事で,余裕などないのに,
(どうしたらよいんだ。)
と途方に暮れてしまうのです。


理由(2) 欠員した先生には,1人前の仕事があった。
 4月に各教員が担当する仕事は,「学習」「生活」「健康」といった分野で,教員の組織が大まかに3つに分かれるのです。これは,各学校で分け方は違いますが,主に,その3つの範囲での取り組みとなります。これらの中身を公務分掌という形で年度初めに細分化して受け持つことになります。

 例えば,斎藤(仮名)先生が,ICT担当で,プログラミングなどを含めたコンピュータを活用した計画を作成し,各学年に指導の依頼をし,困った時に相談等や指導に入っていたとします。
 また,コンピュータ等の機器に関する業者との定期的な打ち合わせや情報交換等も行っていたとします。
さらには,ちょっとしたタブレットの不具合等も対応していたともします。このタブレットの保管や管理に関してもマニュアルを作成し,子ども達や教員にその遵守の徹底を常日頃働きかけていたとします。

 この斎藤先生が,学校に来れなくなって,欠員を生じたとします。誰かが,その担い手にならなければいけませんが,みんながみんなそうしたICTの知識や対応力をもっているものではありません。そこで,その仕事をあてがわれた教員は,
(ぼくにはできない。どうしよう。今でも手一杯なのに,新たに勉強をするなんて無理だ。)
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と落ち込んでしまうのです。

 そもそも,公務分掌をこなしていくには,仕事内容の習熟と教えてくれる教員が必要なのです。これがないと負担感は増大するばかりです。
 だから,公務分掌は,毎年交代するようなことはあまりしなくて,3年くらいは同じものを多くの場合,担当して習熟してもらい,次に移るのです。だから,斎藤先生が退職などをしたら,教えてもらうこともできないのです。
 こんな風に考え落ち込むと,今度は,任された木下(仮名)先生もつぶれてしまうということが起こって来るのです。 
 授業だけでなく,授業以前の組織的な環境づくりから難しくなるのです。こんなことが,起こっているのです。


理由(3) だれもが,どの授業でもできるというものではない。
 特に中学校では,専門教科の免許がないと教えることはできません。国語を教えるのには,国語科の免許がいるのです。

 でも,その免許がなくても教える方法はあるのです。それが,免許外担任制度申請(免外申請)というものです。詳しくお知りになりたい方は,「ココ」をクリックしてください。
 これを申請し,都道府県の教育委員会で許可されると,自分の専門教科以外の教科も1年を限って,教えることができるようになります。

 従来も,この免外申請で教えるということはありました。例えば,山間部や都市部でもドーナツ化現象で生徒の数の少ない中学校があります。その中学校に行けば,教員の数は当然少なくなります。そんな時,国語や体育などを免許がなくても,免外申請をして,国語や体育を教えるということになります。

 私もこの免外申請で,数学と体育を教えることになったのですが,この2つの教科は,元々好きな教科で,しかも小学校で高学年も教えていたので,何ら抵抗もなく,むしろ,
(あの数学の先生よりも,分かりやすい授業をして,子ども達の成績を上げてみせる。)
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と努力し,実際に成績もよく,受け持ちのクラスじゃない生徒から,
「先生,ぼくたちの数学も教えてください。今の先生,分からないです!」
などと嬉しくもあり,悲しくもある声を聴きました。
 
 でも,みんながみんな,免外申請で,自信をもって教えられるものではないのです私のように,まだ,4月から担当になり,自分の持ち時間として専門の教科でない教科を教材研究をして教えて行くのならばよいのですが,途中から,いっぱいいっぱいの授業に加えて,専門ではない教科をわかりやすく楽しく教えるということは,至難の業なのです。
 非常に過酷なことなのです。だから,校長は,あえてそれを頼めないでいる方があるのです。そうなれば,
「夏休み明けから,本校の社会科授業をしていただける方がいらっしゃいましたら,ご紹介いただければ幸いです。」
となるのです。でも,現実には,
「何とか見つかるまで,みんなで分担して,抜けた先生の分の教科を教えよう。子どもに教える人がいないなんてあってはいけない。」
などと,無理を承知で,頑張っている学校も現実にはあるのです。だれがつぶれてしまっても,おかしくはないのです。
 30時間の1週間の授業数に対して,22時間が,4月当初に担当になったとします。そこに,9月から,欠員の先生のしかも専門でない教科が,週6時間入ったとします。
 この2時間で,自作のテストやプリントづくり,〇付けなどの採点,専門的な教科の指導研究・専門的な教科の教材の準備(特に理科や美術など),進路に関する個人資料作り等など,多岐にわたって取り組むことはできないのです。放課後も4月当初から残業だったのが,一層残業に拍車をかけるのです。
 それに,公務分掌としての担当が自分のものと,あとから回ってきたものなどが付加される方もあるのです。考えられないような現実なのです。

 退職した教員の欠員分は,他の教員が授業を掛けもちすることは普通はできないのです。やっている学校は,すごい学校なのですが,感心をしているだけではいけないのです。その先生たちの精神と体が,とても心配なのです!

 我が子の学校の状況にも,子どもと話をする中で,敏感にとらえられる親となって行きましょう! もしこうした困った状況があるのならば,それこそ,PTAの出番だと思います。

1289.「本校の社会科授業をしていただける方がいらっしゃいましたら…」という悲痛な呼びかけ!

 我が子が通う学校の先生は,しっかりと足りていますか?
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「『本校の社会科授業をしていただける方が…』 県内の小中学校7校で教員欠員 6月から授業ができない教科がある学校も… 山梨県」
という悲痛な表題で,教員不足を訴えている内容が,ヤフーニュースで掲載されていました。

 それによると,次のような内容なのです。
「夏休み明けから,本校の社会科授業をしていただける方がいらっしゃいましたら,ご紹介いただければ幸いです。」
というものなのです。これは,7月に山梨県内のある中学校が,教員不足の状況から保護者に宛てた文書の一部だそうです。
 その文書には,何らかの事情で6月に退職した先生の代わりの教員が見つからなく,6月から一部のクラスでは,社会科の授業ができないままになっているというのです。しかも,2学期以降の目途が立っていないのです。
 それで,各家庭に対して,社会科を教えられそうな方の心当たりがあったら紹介をしてほしいというものなのです。

 こうした教員不足の事態は,山梨県ではこの学校だけではなく,他の学校にも生じているというのです。山梨県教育委員会などによると,県内の6中学校と1小学校でいずれも欠員1名が生じているのです。

 このニュースの中でも紹介していますが,退職者が出てその代わりの教員を当てる場合は,普通は,次のような方法をとります。

【退職者が出て,その代わりの教員を当てる場合の対応】
対応(1) 代わりの臨時教員(講師)を採用する。
 しかし,そうした臨時教員は,どの県でも今はなかなか見つからないのです。それは,今まで臨時教員として,こうした状況をカバーしていてくれた方は,
⓵採用試験で採用されず,来年を目指して努力していた教員志願者
②講師として,自分のできる範囲で教育に携わりたいといった年配の女性など
③60歳で定年を迎え,あと少しくらい教員をやってみようかと続けていた方

 こういう方々だったのです。

 でも,次のような理由から,その担い手がなくなっているのです。
担い手がなくなっている理由の一つは,特に最近,教員の過労や心無い保護者の言動等から教員希望者が少なくなるという傾向が顕著になって来ました。
 このことについては,
「1181. 「なぜ教員志望の学生が減っているのか?」をご存じですか?」で,説明をしています。
 だから,②のような「講師として,自分のできる範囲で教育に携わりたいといった年配の女性など」も,あえてつらい環境の火中に身を投じることも避けるようになられたこともあります。
また,本採用者が増えて,臨時教員として次をねらっている教員志願者が少なくなっていることも原因しています。
その上,65歳定年時代を迎えて,60歳を超えた教員の再任用も進んでいるのです。
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 だから,臨時教員になる「なり手」がいないのです。つまり,欠員に対応できないのです。


対応(2) 退職した教員の欠員分は,その学校にいる他の教員が授業を掛けもちする。
 でも,現在の各学校のかつかつの人員状況では,掛けもちをする余裕はないのです。年度初めから,自分の受けもちだけでもいっぱいなのです。
 それなのに,欠員が生じると,欠員した方の授業以外のいろいろな担当仕事が付加されてくるからです。誰かが担わないと回って行かないからです。

「斎藤(仮名)先生,今,先生には,とても重要な仕事を受けもってもらっていてよくやってくださっている。とても感謝しています。その上で,誠に申し訳ないけれど,ICT(例えば)担当という今井(仮名)先生の担当されていた仕事の一部を受けもってもらえないだろうか? そうでないと学校が回って行かないんですよ。誠に申し訳なく思っています。」  
 このように,校長は頭を下げながら,その先生に申し訳なく思いながら,お願いをせざるを得ないのです。
(本当は,引き受けたくないなあ。でも,自分が引き受けないと,学校がどうなるのかがわかるしなあ。)
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と泣く泣く引き受けてしまうのです。これが現状なのです。その上,授業までもってもらうことは,不可能なのです。
 この内容のもとになったヤフーニュースをご覧になりたい方は,「ココ」をクリックしてください。


Q.夏休み明けから,我が子の社会科授業を担当してくれる教員がいないとしたら,どうされますか?


 他人ごとではないのです。どこの学校でも,起こり得ることなのです。
何も結婚退職や産休・育休で学校を離れる方だけではないのです。
心無い親の無理難題で苦しんだために,心を病んでしまった教員も多いのです。
他の教員の仕事が,どんどん回ってきて,オーバーフローしてしまい疲れ切ってしまった教員も多いのです。
睡眠時間が少なくなり,体力的に弱ってしまった教員も多いのです。
初任者や講師,あるいは2・3年目という教員としての経験や研修の不足分があり,そのことによって追い詰められての精神的な辛さに耐えられなくなった教員も多いのです。
さらには,こうした環境の中で,精神的に余裕がなくなった教員が,弱い立場の教員に強くあたったり,いじめとかからかいとかをしたりすることによって,学校に来れなくなる教員も中にはあるのです。

 

我が子の担任や教科担任の様子を我が子とともによく観察していきましょう! 親として何もできないと思われずに,親子で教員に温かい言葉をかけ続けてください。同じ仕事をしていても,温かい応援があれば,喜んで取り組めるものです。



 また,心無い親の言動を眼や耳にされたのならば,いち早く学校の管理職に相談をしていただきたいと思います。授業だけでも生徒指導だけでも厳しい教員の勤務状況の中で,一時の感情的な親さんに多くの時間を割くことは,もったいないのです。それは,ひいては我が子に影響が出てくることにもなるのです。

 我が子を,明るい笑顔とユーモアのある学校にする担い手にしていきましょう!

 このほか,教員の厳しい現実については,今まで次のような内容で紹介をしてきました。
「1200.  教員不足は,学級担任だけではなく,きめ細かな指導や専門的な指導も無くしています?!」
883. 「公立小教員の採用倍率,過去最低更新」の意味することは?」を合わせてご覧ください。

1288.「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常!」についての教員の声!

 実際にある「異常な姿に苦しむ先生の声」が,届いています!
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 ブログ「1285. 1年目の非正規教員が『自己流』で教壇に立つ異常って本当なの?」
について,現在教員をしている方からのコメントがありました。それは,次のような内容です。


感想(1) 正規採用の初任者教員から
「今年度の東京都小学校初任(正規)です。「自己流」で教壇に立ち,とても困りました。教えてもらえず,参観する時間や余裕も無く,学年会も無く。私はヤフーの元の記事ヤフーニュースの「東洋経済 ON LINE」 2022年7月30日で,「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常,育成されずに切り捨てられる教員たち」を読んで,非正規だけでなく正規も同じだと思いましたよ。」
というものです。これに対して,私は,

「ご感想ありがとうございました。とてもつらい教員生活を送っていらっしゃるんですね。今後,教育実践をしていかれるとき,困りごとがあったら,何なりとご相談ください。非公開にしていただければ,その内容は公開はされません。
でも,まずは,教頭先生なり教務の先生にどんどん聞いて行かれれば,応えていただけると思いますよ。
『教頭先生(校長先生),私の授業を見て気づかれたことを教えてください。』
このようにもって行くと,応えてもらえるはずですがどうでしょう。」

とお返事を差し上げました。

 そもそも,正規の初任者に初任者研修がされていないことが,私には考えられません。岐阜県では,いくら教員が足りなくても,ありえないことだからです。
 それに,初任者や初めて講師をする方にノウハウを伝えなければ,先生もそうだし,子ども達も混乱をきたすことは明らかです。そんなことは教員をちょっとすればわかり切っている事なのに,していないということが考えられないからです。それに,

「人のふり見て,我がふり直せ。」
と昔から言われるように,他の先生の授業を見ることで,
(ああ,私はこの先生のように,細かい配慮をしていなかった。)
(この先生は,板書もきちっと考えて,子どもの思考過程をふまえているんだ。)
(私の授業は,山場となる所がなく,面白みにかけていた。)
(ぼくは,今日の授業のように,一人一人に応じた対応をしているだろうか?)

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などと,取り入れるべきところがはっきりとしてくるのです。また,

(私の資料作りやプレゼンは,今日の授業以上にわかりやすいなあ。)
(私の出口の問題は,この先生と同じようにやっぱり効果があり,見届けができているなあ。)

 このようなことも自信につながって来るのです。

 こうした授業を見るということも,自分のクラスを見ていてくれる先生がいなければできないことです。またその見方を指導してくれる教員がいないと,一人だけでは難しいのです。それを初任者担当の先生が担ってくれるのですが,それがないと言われるのです。

「自己流」は,個性と同じで,まず基本的なことをマスターした上での「自己流」でないと,しっかりとした指導にはなりにくいし,教えている本人も自信をもって取り組めないものです。



 学年会も無いということなのですが,これでは個々の先生の取組であって,「補完」ができないのです。教員を育て,どの学級の子も同じように育てるという視点が抜けているのです。
 補完については,
「283. 我が子は,友達を補完できる子ですか?」の中で,教師がしている「補完」について詳しく説明をしています。合わせてご覧ください。


感想(2) 20年以上の経験のある現役教員から
「残念ながら私の働いてきた現場ではYahooニュースの,記事と同じことが起きています。現役教員20年以上ですが,年々人手不足が進んでいます。
 自分が試験を受けていた頃は,氷河期真っ最中で,受からずに辞めた友人も多数です。」

 
 この内容からすると,43歳以上の教員でいらっしゃると思いますが,どの都道府県でも教員不足は深刻で,かつかつというよりも,現職の先生に負担がかかるばかりです。だからと言って,希望をもって教員になった方をぞんざいにすることはあってはいけないのです。
 このコメントに対しては,

「この記事のママだとすると,先生方は人間不信にもなってしまいますね。教員の良さは,「補完」だと私たちは習ってきました。できるところとできないところが,一人一人にはあるので,それをお互いが補い合うことが必要だと教えられました。
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 だから,切り捨てるのではなく,
『自分が,あの人の立場ならどうするか。』
という視点で動いてきました。この記事のようであるということは,市役所の仕事のようだと思います。(市役所の仕事が,全部が全部そうだということではありません)
 私が,市役所の教育委員会に入った時に,市役所の職員で学校教育課に事務職として入っていた方が,
『先生方は,どうして人の仕事まで補完するんですか? 私たちは,自分の仕事は自己責任で,誰にも助けてもらうことはありません。それが不思議です。」
と言われたときに,
『教員は,子ども相手なのです。できませんでは,通用しないんです。失敗するということも許されません。だから,失敗しそうなときは,お互いが補完し合って望ましい姿にもって行くとともに,お互いに成長していくのです。


 このように話すと,市役所の職員は,
『うらやましいです。温かいですね。』
と言われました。先生の今の学校が,記事のようであれば,淋しい姿です。せめて管理職を巻き込んで,改善はできないものでしょうか? 管理職も
『自分のことは,自分でやれ。』
と言われるのでしょうか? そこが切り込み口のように思えます。」


 このようにお返事をしたのですが,苦しい中でも,補完をすることが,あとでとんでもない事態になることを予防する最善策だと考えるのです。
 スクールアシスタントといった制度で,印刷物を印刷するとかいった補助的な仕事が徐々に取り入れられていますが,そうした取組を教育委員会にPTAとして一層働きかけて行くことも親としては必要だと思います。
 それよりももっと望まれることは,教員の待遇改善による教員の確保と,第3者機関等の設定によって,言われもないことを言われるような保護者対応,学級費・給食費等の滞納などに対応をしてもらうことも一層進める必要があります。

「883. 「公立小教員の採用倍率,過去最低更新」の意味することは?」
では,今後教育に対して,みんながどのように考えて行ったらよいかの意見を述べています。合わせてご覧ください。
プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

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