225. 体罰はしつけ??

2019.09.05 21:00|具体的な家庭教育例
しつけは,体罰ありとみなしてよいのでしょうか??
体罰1
 可愛い我が子を死に追いやった親やその関係者が絶えず言う言葉に,
「しつけでやっていたら,死んでしまった。」
いういい加減な発言があります。でも,それはしつけではないのです。
「知ってやるよりも知らないでやる方が悪い。」
という言葉をよく紹介しますが,しつけの何かも知らないで,「しつけ:躾」と称して行うことが如何に怖いかをまざまざと知らされます。 
 では,しつけとは分りやすく言うと何なんでしょうか? 一言で言えば,

 

社会生活に適応するための望ましい生活習慣を教育を通じて身につけさせることです。


1.まずは,基本的生活習慣のしつけを中心に教えます。 
 言葉を理解できない幼児の教育(乳児期から幼児期)は,親のいろいろな態度やわかりやすい言葉がけで,「やるとよいこと」,「やってもよいこと」,「やってはいけないこと」を判断できるようにしていきます。
(幼児は言葉がわからない。)
と親は思いがちですが,それはしゃべれないだけ,うまくしゃべれないだけ,うまく反応が言葉でできないだけで親の雰囲気や態度でわかるものです。

 そして,「やるとよいこと」,「やってもよいこと」ができたときには,うんと抱擁(ほうよう)をしたりして褒めます。
(こういうことをすれば,親は喜んで自分を大事にしてくれるのだ。)
と学習します。逆に,
 「やってはいけないこと」をしたときには,厳しい顔をしたり,叱ったり諭したりします。
そんな時に,
(これをすると,なんと怖い顔になるんだろう。声もきついぞ。私を嫌いになってしまうかもしれないぞ。)
と思って,同じことをしないように気をつけるようになります。

 私が中学生の頃,近所に遊びに行ったときにちょうど,おじいさんと孫が2人でいて,孫がストーブ(今のような電気ストーブではなく,灯油を燃やして上にヤカンなどが置いてあったもの)に近づいて行くかと思うと,途中から引き返してきます。ストーブの周りには,ストーブフェンスもありません。不思議に思って,そのおじいさんに次のように尋ねました。

「どうして,この子はストーブの近くまで行くと引き返してくるのですか? そして,どうして危ないのにストーブフェンスがないのですか。」
 その答えは驚きでした。

「初めは,『ダメだぞ。火傷したらどうする!』と怒鳴ったり叩いたりしました。こんな4歳の男の子にいくら言ってもわからなかった。でも,おばあさんがその子をストーブの近くに連れて行き,抱っこしながらこの子の手を取って,『このストーブ,ほら,ここ熱いよ。文君の手焼けちゃうよ。』とストーブに近づけたんだ。そうしたら,『熱い。熱い。』といって火の熱を感じ,それ以降,『熱い。熱い。』と言って近づかなくなったんだ。おばあさんの怒鳴らず,叩かず1回でわからせたのはびっくりした。」

という話でした。つまり,幼児であっても実際に危ないことをわかりやすく教えれば,理解ができるのです。私の子どもにも同じように教えましたが,近づきませんでした。ただし,私はストーブファンスは念のため設置しました。
 乳児期から幼児期にかけては親が範を示し,手本を見せて繰返し繰り返し教えるのです。口先だけではいけないのです。とても危険なことをしたとき,例えば,物を投げて妹の赤ちゃんに当たる寸前だったとき等は叱ることも当然必要です。 
 そうした以外の時は,言葉で,どこがどのようにできなかったかを教えたり,できたときはできたことをどこがよかったか理由を話しながら褒めて,次の行動力に結びつけるのです。


2.成長するにしたがって,いろいろな場での行動の仕方を教えることになります。 
 それは,家庭,学校,地域,社会などへと広げます。
 しつけは,初めは家庭における基本的生活習慣のしつけですが,それは社会生活の秩序を守り自らの生活を向上させていくことができる社会人に育て上げることとなってきます。 ですから,効果的なしつけをするためには,発達・成長段階に応じた有効な方法をとることが必要になってきます。

小学生くらいになると,親はあまり我が子にいろいろなことを教える時間(暇)が無くなってきますが,子ども達は本当はあまり何も知らないのです。昔は,おじいさんやおばあさんと同居の家庭が多く,親は教えなくても祖父母がいろいろと教えていたこともありましたが,今はそれがあまりないのです。その分,親は頑張らねばなりません。

 しつけの基本は幼児期と変わりません。わかっていないことをその場その場で,
「こうしなさい。」ではなく,
「こうすると,格好がよいでしょう。」
「こうすると,きちんとできるでしょう。」
「こうすると,周りの人が『ちょっとすごい子だなあ。』と見てくれるよ。」
「こんなことができると,お父さんもお母さんも嬉しいなあ。」
とわかるように,方法も教え,できる姿を褒めるのです。

 しつけの方法で,罰の中で体罰を行うこともありました。でも,テレビで報道されているような「冷水や熱湯をかける。」「寒空に裸足で薄着で外に出す。」「たばこの火を体に押し当てる。」「食事をさせない。」「蹴りを入れまくる。」等といったことは,体罰というより犯罪です。
 最近はその体罰を「児童虐待だ」とする問題視することも起こってきたことは,当然のことです。

 問題は,「しつけと称してどうして体罰を行うか」です。
それには,次のことが考えられます。
①育児の仕方を自分が経験していない。 
 親に基本的なしつけを自分が受けていないために,どのようにしつけるのかがわからないのです。だから,親の言うことを聞かない者には強制的に聞かせようと暴力をふるってしまうのです。
 多くの場合,自分もそうした体罰でしつけられたという人が多いのです。


②親の幼稚さです。
 アンガーマネジメントといって,怒りを抑えられるように多くの人は自分をコントロールしています。でも,体罰におよんでしまう人は,自分の感情をコントロールできないのです。
 テレビなどでもいい大人が気にくわないと机や椅子などを蹴ったりする場面がありますが,そんなときは,
「あれは大人として恥ずかしいことよ。」
と小さいときから教えていく必要があります。感情をおさえられない人は,訓練がいります。専門機関への通院も必要なのかもしれません。


③身近に支えてくれる人がいないからです。
 おじいさんやおばあさんはいません。近所づきあいもありません。どうしようもなくなって暴力をふるうのです。
そんなときは,市町村の「子育て課」といった機関へ相談をしてください。或いは,こうしたブログ等に質問をしてみることも大切です。私の場合は相談されたら,ていねいに対応していきます。


④我が子(連れ子)が可愛いと思えないことです。 
 愛し合ってできた二人の子,好きになって一緒にいるパートナーの連れ子,いずれも愛によって結ばれてできた関係です。
本当に相手が大切ならば,相手の大切な子を自分も大切にするという心が大切です。その気持ちがないのなら,一緒にいるべきではないのです。
 

⑤我が子を「かわいい,誰にでも好かれる子」にする努力が足りないのです。
 我が子を「かわいい,誰にでも好かれる子」にする努力をしていますか。教えないと,(そうなろう。)という姿勢ができてきません。或いはそうした姿があったらその都度,褒めていますか。

・にこにこといつも明るい子,
・「はい,にこ,ポン」と頼まれたことを喜んでできる子,
・自分の思いをていねいに話すことができる子,
・乱暴なことを行わない子,
・「ありがとう。」がいつも言える子,
・あいさつがしっかりとできる子,

 
 これらのことは,このブログでも方法を紹介しています。

 子どもには,5つの願いがありました。
 ①「認められたい」,②「褒められたい」,③「愛されたい」,④「人の役に立ちたい」,⑤「自由でありたい」ということです。
だからこそ,この子どもの願いをかなえさせるためには,本人自身が(素晴らしい自分になりたい。)という気持ちにさせる必要があります。
 暴力では,その気持ちを引き出すことができないのです。親に対する恨みや,情けない自分に失望するばかりです。
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コメント

しつけ

こんばんは。
しつけについて参考になりました。
子供が出来て・・・一緒に親として成長していくのだと思っています。
子供を見て自分の事を振り返る事が出来るのだと思います。

Re: しつけ

 素晴らしいコメントありがとうございます。子どもを育てているつもりで実は親も育てられているんですね。でも,子どもとの出会いはありがたいものですね。
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プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

家庭教育法について情報発信中

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