217. 見たことを話せる?①

2019.08.28 22:23|具体的な家庭教育例
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我が子は,見たことをしっかりと長く話すことができますか?①

 親と一緒にいろいろなところへ行ったりいろいろなことを経験したりしているのに,誰かに聞かれたり作文や日記に書こうとすると,全然覚えていなくて親の方がしっかり覚えているということはありませんか。 
 2年生の孫と旅行をする中でも,そんな経験をしました。親は普段いつも一緒にいるので「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」で詳しく言ったりしなくてもわかってしまうことが多く,普段あまり気にしないものです。でも,時たま会ったりする者にとっては気になるのです。
 その原因を考え,私なりの仮説に従ってできるようになるかを試みてみました。その方法を4回にわたって紹介します。どのように成長していくかを理解していただけると思います。 
 多かれ少なかれ似たようなことはどの家庭でもあるかと思います。参考になればその手立てを試してみてください。
草原
 まず,実態です。山口県を回っての思いで作りです。途中にSAによって,トイレに行ったり食事をしたりしたのに全然その時のことを覚えていません。情景が浮かんで来なく,例え言葉が出ても単発で短いのです。詳しいことを聞くと「何だったかな。忘れた。」と困っているだけです。
「こんなものがあったよ。これはこうだったよ。とても美味しくてお母さんにも食べさせてあげたかったよ。」
といった事実認識に基づいた感想を言える子になってほしいと思いました。
 そこで,次のような取り組みを数日間かけて行えば,ある程度の長い内容を覚えていられ,堂々と話すことができるようになると考え,実行してみました。


【長く忘れずに堂々と話すために試みた内容】
①関心をもたせる。
 人は興味・関心のあるものには,積極的に関わっていきます。でも,興味・関心がないと記憶にも残りません。
だからこそ,前もって「これはすごいものなんだよ。知っておくと得するよ。」といったことを伝え,心を向かわせておくのです。


②しっかりと見たものについての情報を与える。 
 事前に情報を入れることと同時に,実物を前にこれがどんな意義をもちどうして多くの人が見に来たり興味・関心をもったりするのかを知らせるのです。


③本人の印象に残った事柄を言葉で言わせてみる。 
 本人が(いいなあ。)と思っても上手に言えない場合があります。だから,見たときにその場で「きれいだ。」とか「大きい。」とか「動きが速い。」とか見たことを言わせるのです。それを詳しく言わせるためにこちらから聞き直すのです。


④感想を言わせる。 
 見たものに対して,どのような感想をもてたかを聞きます。
「すごい。」と言ったら,「どうしてすごいの。」等と聞きます。そうすると,具体的なことを言い出します。そのことで記憶していくのです。


⑤覚え方を教える。
 せっかくその場で言えてもそれを覚えていないと,記憶にはつながりません。そこで,5つの方法を教え,覚え方を身につけさせていきました。詳しくは事例でお話しします。

 (a)言葉を繰り返す。
 (b)思い出せるかを頭の中で繰り返させる。
 (c)短文で覚える。
 (d)文字に書いて視覚で覚える。
 (e)短文の記憶の累積で長文にする。

⑥体験を誰に話すか対象を決め,目標をもたせる。
 人は一人では生きられません。誰かと一緒にいたり誰かと語り合うなど関わりが必要です。その誰かが身近な愛する人であるのなら伝えようという気持ちが強くなります。 「お母さんに話そう。」等と話す対象を決め,意欲をかき立てるのです。


⑦何回で覚えられるかを確認する。 
 いつまでも繰り返し練習をすれば,いつかはできるようになるでしょうが,途中で嫌気が差してきます。同じ練習をするのなら楽しく行いたいものです。
何回でできるかといったゲーム性は(よし,よろう。)というチャレンジにつながります。


⑧どの位の時間で覚えられるかを確認する。 
 これも何分でできるかといったゲーム性があり,(よし,よろう。)というチャレンジにつながります。


⑨覚えたことを相手に伝えることをまず行い,聞いた人の感想等は後にする。 
 実際に伝える場面では,話している最中に質問等をされると,せっかく覚えたことを忘れてしまいます。まず,聞いてもらい,その後に質問や感想を言ってもらうというルールを確認して伝えます。


⑩必ず,聞いた人の前向きな賞賛を事前に依頼する。
 最初からスラスラと一気に変身することは難しいものです。初めはとつとつと話すことになると思います。でも,しっかりと覚えられたり長く話ができたりと今までできなかったことをできるようになっていたのなら褒めざるをえません。褒められれば,さらに今後の意欲につながります。
 では,1回目に覚えてお母さんに話した内容を紹介します。

山の秋吉台のカルスト台地に行きました。それからお風呂で,バブルと露天風呂に入りました。



 これだけのことを覚えるのに累計で1時間かかりました。文として言えるようになるのに累計20回練習をしました。
 これをお母さんに話すと,とても充実したような表情をしました。お母さんから
「カルスト台地って何?」
とか
「バブルの風呂って何?」
と聞かれても,
「カルスト台地は,岩がとんがって出ている平らなところだよ。」とか
「バブルってブクブクと泡が出ている風呂だよ。」
等と少し自信なさげに答えていました。でも,お母さんが
「○○君,すごいね。よく覚えたね。」
と言ってくれたので,明日も報告するということになりました。

 1回目に行った手立ては,
①関心をもたせる。 
 事前に秋吉台の写真が載っている「観光雑誌」を見せ,
「こんな所は,日本にはここしかないよ。」
と,すごいところに来たことを強調しました。心を向かせておきました。


②しっかりと見たものについての情報を与える。
 事前に情報を入れておいたので,秋吉台ならどこが珍しいのかをしっかりと見させることで確認をしました。


③本人の印象に残った事柄を言葉で言わせてみる。 
 「秋吉台では,いっぱいカルストがあるんだ。」
と言ったので,上だけでなく秋吉台ではこの台地の下に明日行く地下の鍾乳洞があることを掲示がしてある説明図を元に強調しました。


④感想を言わせる。
「不思議だなあ。」
と思ったことあると聞くと,
「岩がいっぱいあるところ。」等と答えていました。


⑤覚え方を教える。
 覚え方では,1回目なので,
(a)言葉を繰り返す。
(b)思い出せるかを頭の中で繰り返させる。
(c)短文で覚える。
(e)短文の記憶の累積で長文にする。

 以上の4つに絞りました。

 「山口県」,「秋吉台」,「カルスト台地」,「バブルの風呂」,「露天風呂」を言葉に出して繰り返し言うことで覚えさせました。ちょっとしてから思い出させるために,こちらが意図的に「さっきどこに行った。」等と言って思い出させました。

「山口県の秋吉台のカルスト台地に行きました。」,
「お風呂に行き,バブルと露天風呂に入りました。」,
これらを「さっき何した。」「さっきどこに行った」等と「したこと」,「行ったこと」で聞いて思い出させました。
 組み合わせて言うように聞くと,1日目は,途中で「あれ,何だったけ。忘れた。」等と繰り返し,累計すると20回,時間も1時間かかりました。こちらがとても辛抱の対応でした。
 

⑥体験を誰に話すか対象を決め,目標をもたせる。
 初日はお母さんです。とても意欲的に取り組みました。


⑦何回で覚えられるかを確認する。
⑧どの位の時間で覚えられるかを確認する。
 この2つについては既に紹介しました。


⑨覚えたことを相手に伝えることをまず行い,聞いた人の感想等は後にする。 
 1回目はそんなに長くなかったので,とつとつながら伝えることができました。


⑩必ず,聞いた人の前向きな賞賛を事前に依頼する。
 我が子が何も見ず記憶で話したので,お母さんの驚きの言葉で次の日のお父さん報告バージョンへとつながりました。

 1日目は,こうして無事に終わりました。最初は時間がかかります。でも,回数を重ねるにしたがって,子どもは進歩します。なぜなら,記憶の仕方がマスターでき,好きな人から褒められるからです。
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コメント

話すこと

こんにちは。
見たことをしっかりと話すことは難しいですね。
そのしっかり話せるようにするのが大切なのですね。

Re: 話すこと

いつも感想ありがとうございます。子どもはただ待っているだけではなかなか話せるようになるのは難しいですね。ちょっと教えれば子どもは伸びます。たくさん教えればたくさん伸びます。その成長が喜びですね。
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プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

家庭教育法について情報発信中

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