256. 「吹きこぼれ」って何?!

2019.10.06 20:00|学校教育との連携
「吹きこぼれ」って何だか知っていますか?!
cooking_fukikobore.png
 「落ちこぼれ」という言葉はよく聞きますが,「吹きこぼれ」という言葉はそれほど使われません。でも,これも大きな問題なのです。
 学校の授業についていけない「落ちこぼれ」とともに問題になっているのが,理解が早いがゆえに,授業が簡単すぎて飽きてしまう,或いはつまらなく感じてしまう「吹きこぼれ」の児童生徒がいます。

 小学校でも中学校でも実際に,教室内の児童生徒の中で理解度に格差が生じています。
小中学校では,授業の進行はカリキュラムにしたがって,評価規準を設け,それに基づいて進めていきます。
study_book_neochi_woman.png
 そのために,とても残念なことですが,教室の中に授業についていけない「落ちこぼれ」と呼ばれる児童生徒がいるのと同時に,「吹きこぼれ」と呼ばれる「理解が早いがゆえに授業が簡単すぎて飽きてしまう,或いはつまらなく感じる」児童生徒もいるのです。

 
 現在学校では,大きく次の2つを対応策として行っています。3つめは,自治体による差があります。4つめは,担任の力量によります。

1.「吹きこぼれ」にしないための学校での対応策
対応策1 学び合いによる相互能力の向上
 理解の早い子が理解の遅い子に教える「学び合い」は,学習内容理解においてとても有効なのです。
 理解の遅い子は,理解の早い子に個別に教えてもらうことで理解が深まります。
勉強
「そこの計算の仕方,なぜそうするのかよくわからなかったけれど,優さんの説明でよくわかったわ。」

「問題の解き方がわからなかったけれど,当真さんの図を使っての解き方でわかるようになった。ぼくもこれから図を書く方法をしっかりと身につけたい。」
といった具合に,具体的に個別に教えられる良さを語ってくれます。


 理解が早い子は,理解の遅い子に教えることで,自分の理解が一層深まるというメリットがあります。
する
「美優さんがどうしてわからないのか,初めはよくわからなかったけれど,線分図の意味がわかっていなかったので,それを詳しく話したらわかってきた。教えているうちに,私の考えが一層はっきりしてきました。」

「台形の問題を来夢さんが解けないのでどうして解けないのかと思ったら,台形の公式を覚えていないことがわかったので,これをしっかりと覚えて当てはめればよいことを話したら,それからいろいろな公式を覚えていたので,嬉しかった。」
 このように教えながら自分も確認でき,友達ができるようになってくる喜びを自分の喜びとしています。

 さらに,こうした「学び合い」が学級全体に
「平均点を上げよう。」
school_test_enpitsu.png
「みんなで,80点以上は取ろう」
といった目標となったりして,学級全体の成績が上がったりします。

 ここで,担任(教科担任)として留意していることは,過度にサポートを求めすぎないことです。負担になっては意味がないからです。


対応策2 習熟度別少人数指導
 一斉授業も重要な面もありますが,現在はこの習熟度別による少人数指導が,算数や数学などでは多く取り入れられています。クラスの垣根を越えて,或いはクラスをいくつかに分けることで,能力に応じた指導を行うものです。
jikosyoukai_boy.png
 当初導入するときや初めて少人数指導を行う学年(多くは小学校3年くらいから)においては,能力の決めつけではなくその時点での能力対応だということと,その能力別クラスに所属することによる差別がないことに特に留意しています。
 「ぐんぐんコース」,「のびのびコース」,「ゆっくりコース」などと言った名前で,本人や親の意向を踏まえながら教師の指導性でコースを編成し進めています。
「『ぐんぐんコース』では,早く教科書内容を終えて,難しい問題に挑戦できるので,とても楽しいです。」
kansetsu_narasu.png
「『ぐんぐんコース』では,超難しい問題もいろいろなやり方をする人がいて,負ける悔しさがある意味,楽しいです。」
 このように,いわゆる「吹きこぼれ」になりそうだった子も生き生きと活躍しています。


対応策3  iPad などを利用した情報教育の推進
school_jugyou_tablet.png
 iPadなどを使い,個の能力に応じた個別学習の推進です。これは,自治体ごとによって対応が違うため,ソフトを使ってどんどん挑戦させるなど極端に進んでいるところと,映像を見るといった程度のところとの差があります。


対応策4 速くできる子への個別問題提示
school_print_kubaru.png
 これは,個別にプリントなどを用意し,その時間に取り組む内容をランク付けしてできたら自分で丸をつけ,さらに上の問題に進めさせるというものです。
学校体制で行っているところもありますし,担任の力量で行っているところもあります。学校体制でないと日々の用意は大変です。


では,我が子を「落吹きこぼれ」にしないためには,家庭ではどうしたらよいのでしょうか?

2.「吹きこぼれ」にしないための家庭での対応策
対応策1 小中一貫教育校に入学させることによる現状教育制度からの脱却
 こうした制度の学校を模索している自治体もありますが,なかなか身近には無いと思います。


対応策2 iPadなどで先端テクノロジーを用いた教育に触れ馴染ませる。
tablet_oekaki_man.png
 「落ちこぼれ」も「吹きこぼれ」もつくらないためには,iPadなどの先端テクノロジーを用いた教育に触れさせることは,経済的なことが克服できる家庭では可能です。
 学校でできない分,家庭や塾などで本人が満足できる勉強の楽しさを追究することができます。


対応策3 授業に前向きに参加する姿勢を常に語る。
 これが一番,現実的な対応です。
 一斉授業でも少人数での授業でも,クラスのリーダーとしてみんなをリードし,自分が理解できたならば,他の子を導くことが本当の力だとうことを常に語り,実行させるのです。

「今日のぼくの問題解決の仕方は誰も考えつかない方法だったので,ぼくはヒーローだったよ。」
00000.png
「私の説明で,『なるほど。』とみんながわかってくれたので,先生が後から『よく考えたね。』と言ってくれて嬉しかった。」
 このように,教科の力をつけるだけでなく,友達に信頼される姿を示すことも求めるのです。


対応策4 先生と打ち解け,望んでいることを伝える。
 いろいろなタイプの先生がいますが,基本的に先生はお人好しで親切です。だからこそ,仲良くなり,
「ぼくは,こうしたことで満足している。」
8888.png
「こうした問題が解けたらもっと楽しくなるし,やる気が出る。」
といった情報発信を先生にさせるのです。そのことによって先生の方もより工夫がしやすくなります。


対応策5 家族間で応援する。
 子どもには5つの願いがありました。ただ
(やらねばならない。)
という理由で取り組んでいるのと,
apron_mama.png
(家族が喜び期待してくれているので,取り組もう。)
というのとでは,全く姿が変わってきます。家族の応援は,より進歩が望めます。

 もし,吹きこぼれてしまったら,或いは既に吹きこぼれているのなら,ぜひ,家庭での対応策を実践してみてください。そうでなくても,これらの実践は重要です。
(我が子は,優れた能力を一層,発揮できる。)
この思いが,言葉となり態度となって我が子に影響していきます。

プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

家庭教育法について情報発信中

カテゴリー

カレンダー

09 | 2019/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

最近の記事

カウンター

最近のコメント

ブログランキング

リンク先にも、参考になるブログがありますので、お時間あればクリック願います。問題解決、こども達の笑顔に繋がります。

リンク

教育関連サイトの相互リンク募集中。お気軽にメール又は、コメントに依頼ください。


メール

個人的な相談はこちらへどうぞ。許可なく内容を公開することはないので、安心下さい。


名前:
メール:
件名:
本文:

ブックマーク

月別アーカイブ

検索

  • ページトップへ
  • ホームへ