281. 親は人間的な権威で対応を!(2)

2019.10.31 20:00|具体的な家庭教育例
 親の経験は我が子の学習の消化剤(消化作用を補うために使用される薬剤)になります。
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 我が子も含めて,子どもはいろいろな言葉を聞いて知ってはいますが,中身についてはあまり知らないことが多いのです。それは実際の経験がないからです。

 先般,テレビを見ていたら,有名大学を出た方でも,
「へえ,枝豆と大豆は一緒だったの。」

「コンニャクって,イモから作るの。」
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「カボチャって,名前がカンボジアから来ているから,暑いところでしかつくれないと思っていたけれど,北海道でも作れるんだ。」

「数の子はニシンの卵なんて知らなかった。」
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などと常識的なことを知らない場面がありました。
 そうした生活的な話題を我が子といろいろな面で,普段していることによって,学校で習った「理論や知識・技術」がよく消化できるようになってくるのです。
 それが,学校に行くことの張りにもなるし,帰って来て話していると,
(何となく勉強って楽しいんだな。)
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といった感情が湧いてくるようになるのです。

 「楽しい」というプラスの感情から興味・関心が生じてくるのです。
 親が体験してきた経験,これが親としての「人間的な権威」なのです。この貴重な体験を我が子にうんと語り,我が子の消化剤にしていきましょう。

280. 親は人間的な権威で対応を!(1)

2019.10.30 20:00|具体的な家庭教育例
 我が子に対して,理論や知識・技術をうんと聞き出す形で,力を引き出していらっしゃいますか?
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 みなさんは我が子に,例えば,
「今日,理科では何を習ってきたの? へえ~,そうなの! そのこともっと詳しく教えて。」
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などと,知っていることでも敢えて我が子に聞くことができますか? これとは逆で,

「子どもから教えてもらうなんて,親の権威がなくなります。親の権威がなくなったらダメでしょ。なめられますよ。」
という考えですか。どちらの親の姿がよいのでしょうか?


 親さんの中には,
「ママが教えてあげるわ。ママが監督してあげるから心配しないで。」
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と理論や知識・技術を全て教えてあげるという姿勢で臨んでいる方があります。
 よくできるお母さんでも,小学校の全教科を教えることはたやすいでしょうか? 中学生になったら全教科を教えることは無理だと考えられませんか。

 勉強の中身は上級生になればなるほど教えることはできないのです。その意味からすると,あきらめた方が良いのです。
「私ができなくなったら塾に行かせます。」
という方もあるかもしれません。

(親は,勉強できるから偉い。)
と我が子に思わせると,我が子は,親が大変テキパキとできる場合は,
(ママには,ついて行けない。)
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といった気持ちになってきます。逆に,親ができない場合は,

(何だ。偉そうなこと言って,ママなんて大したことないじゃないか。)
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親を軽蔑するようになるのです。

 こんなことにならないために,親の対応姿勢を考えてみましょう。
 親が物事をよく知っているとか,計算がよくできるとか,理論的だとかいうのは,そのことで人間の値打ちが決まるわけではないのです。
 人間の値打ちは,人とは比べられない「人間的な権威」ではないでしょうか。親は,これをもっていればよいと思います。その気持ちで我が子に接すれば,知っていることでも知らないふりをして我が子から勉強を教えてもらうという方法も納得がいただけると思います。 
 親が,我が子の話に対して,
「そうなの? ママが習った頃とはずいぶん変わってきたんだね。面白いね。」
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「それって,学校で習ったことに,聖人さんが自分の考えを付け加えたんでしょ。」

 このように,学校での勉強のこと,遊びのこと,スポーツのこと,趣味のことなどをママが聞いて楽しむという習慣をつけていくと,我が子は,

(今日,家に帰ったらママに何を話そうかな。先生の話をよく聞いてママに教えてやろう。」
そういう気持ちになっていくのです。こうなれば,勉強にも意欲が増してきます。

 こうして喜んで我が子からいろいろな情報を聞いていると,子どもにとっても知らない大人の情報を聞いたりして親子で楽しく話し合いや会話ができるようになります。これが勉強好きにする秘訣です。

 このように我が子がかわいいからこそ,親は我が子の助けをしてやるのです。
それが,親としての「人間的な権威」とは思われませんか?

279. 我が子にTPOを教えて!

2019.10.29 20:00|具体的な家庭教育例
我が子にTPOをしっかりと教えていますか?!

19しつけ
 妻と日本茶を楽しむ和製のお茶処に,美味しいお茶を求めて行きました。
そのお店のたたずまいは,どこか京都などの庭を思わせるような雰囲気があり,部屋の中に入れば,椅子席ではあったのですが,いかにも日本風のお茶処という雰囲気で,ちょっとお金をはずんで普段飲めないようなお茶を注文しようと考えました。
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 注文をすると,喫茶店のモーニングと同じように,栗おこわのご飯とお味噌汁がまず出てきました。それから私が頼んだ煎茶と栗蒸羊羹,さらには珍しい和菓子がついて出てきました。
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(こんな身近に,こんな素敵なお茶を飲ませるお茶処があるんだ。)
と嬉しく思える瞬間でした。このお茶処は,4人掛けのテーブルが5つほどあるこじんまりした場所でした。
 お店には,一人でお茶を楽しむ老人,仲の良い50代の夫婦,若いアベック,私たち夫婦,それに,小学生の子どもを学校に送り出した30代くらいのママ友の二人でした。

 ところが,このお茶処の雰囲気を台無しにしたのが,30代くらいのママ友の二人です。お茶処いっぱいに大声で,先生のことや我が子のことなどを話し続けるのです。私も含めて周りの人達は,
(この人達,何しに来ているの? 場所を間違えてはいないの?)
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といった感じで,悲しそうな表情です。でも,二人は気づかないのです。誰もあえて注意はしませんでした。二人は,今日までTPOを全く理解していないで生きてきているようです。

 TPOの意味は,主に服装,あるいは言動などについて「時と場所に合わせた振る舞い」という場合に用いられる語です。TPOの3字はそれぞれ,time(時),place(場所),occasion(場合)の頭文字です。これは外来語ではなく,日本人が考案した和製英語です。


 このお茶処で言えば,自分がどのような状況に置かれているのか,その時にどのような振る舞いが求められるのかを顧慮しなければならないのです。

 静かな日常を忘れさせるような空間を求め,そこで,静かに美味しいお茶やお菓子をいただきたい,そうした人が集まるところです。
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 でも,二人のママ友はファミレスで食事をしている感覚と同じなのです。

 今回なぜ,このお茶処でのことを話題にさせてもらったかと言えば,
「我が子に,こうしたことにならないようなTPOがその都度,教えてありますか?」
ということです。

 もっと身近な例で言えば,担任と清人さんが何か大切な話をしているとします。その時,我が子はその二人の話が終わるまで待っていることができますか。ひょっとしたら,

「先生,ぼくね,今日宿題忘れてしまいました。」
などと,割り込んでわれ先と自分の用を済まそうとしたりしませんか?
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家庭での様子でこれと同じようなことがありませんか?
これもTPOをわきまえない行為です。


「今は,お父さんとお母さんが大事な話を真剣にしているの。だから,緊急のことでない限り順番を待ちなさい。割り込むことはとても失礼なことなのよ。」
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こうした指導ができているでしょうか?

 TPOを考えた態度をしないと我が子は恥をかいてしまうのです。それを大人になってもしていてはかわいそうではすみません。他人は空気が読めない人などと誤解をしたり相手にしなくなったりします。

「先生,さっき佐枝さんが美紀さんと授業中に大きな声で話しながら廊下を歩いていたとき,良樹さんは,すぐに気がついて『今,授業中だよ。2年生が迷惑だよ。』と注意していました。私は勇気もあるし,すぐ動けるのですごいと思いました。」

 こんなTPOを考えた行動ができる子も多くいます。
だからこそ,こんな素晴らしいTPOをわきまえた行為ができる我が子にどんどんしていきましょう。我が子は磨けば光るダイアモンドの原石なのです。

278. 親の教育方針は同じで!(2)

2019.10.28 21:00|具体的な家庭教育例
 我が子に対する父母の対応は同じですか?(2)

 久々にお父さんが早く家に帰って来ました。お父さんは勉強をしている我が子に,
「久々だから,外でキャッチボール,やろうか!」
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と言いました。それに対しお母さんが,

「あなた,やめて。今,明人(仮名)は勉強をしている最中ですよ。勉強をやってから遊んであげて!」
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と二人のやる気満々な雰囲気の所に割り込んで来ました。そんな時,明人さんの心は,

(ぼく,どちらの言うことをきけばよいのだろう。)
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と戸惑います。

(お父さんとお母さんでは,どちらが強かったかなあ。)
とどちらの意見に着こうか必死で迷います。

 お父さんが黙ってしまうと,
(やっぱり,お母さんの方が強いんだ。だから,キャッチボールは止めよう。でも,お父さんとキャッチボール早くやりたいなあ。)
と渋々あきらめます。

 反対に,
「何言ってる。勉強なんかいつでもできるじゃないか。俺がこんなに早く帰れることなんてないんだぞ。わからんのか。」
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などと怒鳴ってキャッチボールを始めようとすると,
(家ではお父さんが,強いんだ。じゃあ,安心してやろう。)
ということになるのです。

 この例のようなことを家庭で繰り返していると,この家庭の子には,次のような姿が多く出てきます。

「こちらが良いよ。」「いや,こちらが良い。」とか,
「やりなさい。」「止めなさい。」というような肯定と否定がいつも心の中で同時に働くようになり,何が何だかわからなくなってイライラするようになるのです。常に落ち着かない不安定な精神状態になります。或いは,思わぬことをするようになるのです。そのことを自分では気づかないのです。

「思わぬことをする」とは,どういうことでしょうか?
 それが学校では,先生が見ているところでは勉強もしっかりし大人しくしていますが,
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 先生の見ていないところでは隣の友達にいたずらをするといった二面性のある(二重人格的な)子どもになりがちです。表面の心の現在意識では,そのようにしようとは思っていないのです。
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 しかも,この深層の心理に不安定感がある限り,叱っても叩いても治らないのです。
 本来の我が子の良い姿に戻すには,両親が仲良くお互いの言い分を理解し合って調和し,我が子に対して意見を一致させて対応することしかないのです。
そうならないために,今から一層,夫婦仲良く同一の考え方を見い出していきましょう。

277. 親の教育方針は同じで!(1)

2019.10.27 20:00|具体的な家庭教育例
 我が子に対する父母の対応は同じですか?

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 1年生から3年生まで順調に勉強をやってきて,クラスのみんなからも人気があった子がいました。名前を仮に忠史君とします。前担任から引き継ぐとき,
「この子は頑張り屋さんでみんなにも人気があるし,やることもしっかりとしています。」
という意見でした。

 ところが,10月ぐらいになると,友達と遊ぶことが少なくなり,みんなが何となく避けているのです。
(これはおかしいぞ。)
と思い,それとなく親さんに電話を入れました。お母さんと話している中で,どうも家庭環境に問題があるように思えてきました。両親の考えがいろいろな面で対立していることが話の内容からわかって来たのです。

 例えば,こんなことがありました。忠史君が4年生になって野球のスポ少を始めました。しばらくすると,3年生の時に比べて成績が下がってきました。お母さんは,
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「野球なんか始めたから,成績が下がったのよ。そんなんなら,止めなさい。」
と言い始めました。お父さんは,

「始めたばかりじゃないか。本人がやりたいと言って始めたことだ。ちゃんと言い聞かせてどちらも頑張らせればよいじゃないか。ダメだからすぐ,止めさせるなんてだめだ。」
という意見でした。
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 こうした意見の対立が,いろいろな場で起きていたようです。だから,親が言う指示や命令も別々なものがその都度出てくるのです。次の日に,忠史君にそれとなく聞いてみました。

C:「お父さんとお母さんが言うことが,むちゃくちゃ違って,どうしたらよいかわからないんです。」
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T;「例えば,野球のスポ少なんかはどう。」
C:「ぼくは野球が楽しくて仕方がない。勉強の成績が落ちてきたことは,ぼくがいけないけれど,止めさせることはないと思う。お父さんの言うとおりだと思う。ぼくは頑張るつもりなんだ。でもお母さんは,『絶対に止めなさい。』と言うんで,お母さんも好きだけど,止めたくない。だから,イライラする。こんなことがいろいろあるので,友達にも当たってしまったりすることを知らず知らずのうちにしてしまうんです。」

 親や教師の目の届くところでは,目だったことはさすがにできない子でしたが,目の届かないところでは,いたずらをしたり意地悪をしたりし始めていました。そこで,「学級よくするアンケート」を実施したら忠史君のことがたくさん出てきました。

 このように,両親の考えが異なることで我が子の精神状態がおかしくなってくるのです。我が子が悪いのではなく,親の共通認識・共通行動がなかったのです。
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 この子の家庭の場合は,まず夫婦が仲良くするように努めてもらい,それぞれ違った教育上の意見でも話し合って一致させてもらいました。その上で,同一の方向で接してもらうことで,すぐに元の素晴らしい姿に戻すことができました。

 次は,「親の教育方針は同じで!(2)」として,親の共通行動ができないまま続いた場合の結果を考えて見ましょう。

276. 父(母)の立場を理解させる!

2019.10.26 20:00|具体的な家庭教育例
 我が子に,父や母の立場を理解させることをしっかりと行ってみえますか?

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 次のような子を,かつて担任したことがあります。

「あの子が,あんなことを言うからぼくが不利になったんだ。あの子さえ,あんなことを言わなかったら,うまくいったのに!」

「先生,義人さんはお母さんが夜遅くまで一生懸命働いているので,家で一生懸命お手伝いをたくさんしているのです。だから,疲れて寝てしまって宿題ができないときがあるんです。私が昼休みに一緒に教えながら頑張らせます。」

 この二人には,大きな違いがあります。どのようにすると,後の子のような考え方ができるようになるのでしょうか?

 それには,次のような力をつけることがとても大切だと,長年教員をしてきて思いました。それは,次の力です。

 大人になると,いろいろな場で自分とは反対の立場の意見を言ってくる人がいます。でも,その人達と争うのではなく,その人達の立場も理解して話し合いができるような包容力を身につけてほしいのです。その包容力があることが,立派な大人になることだと思います。




 では,どう取り組んだら包容力のある子になるのでしょうか。

【包容力を身につけさせるには?】
◇幼いときから我が子に,お父さん(お母さん)の立場を理解させるのです。
 夫婦共働きの時は,お母さんにおいても同様です。子どもが幼いときはお母さんがお父さんより早く帰って来られる家庭が多いという前提でお話を進めています。

 お父さんが仕事で遅く帰ってきて,あまり我が子とふれ合うことができない場合には,
「今日もこうして楽しくご飯をいただけるのは,お父さんが朝早くから遅くまで働いてくれているからよ。」
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「お父さんはよく出張に行くけれど,仕事先の方と詳しい打ち合わせをして会社の仕事がうまくいくように持って行っているのよ。すごいでしょ。」
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「土曜日,日曜日は,一緒にお父さんはいてくれないけれど,土日がお父さんの商売の稼ぎ時の日なの。本当は一緒に過ごしたいけれど,私たちのために働いてくれているの。わかってね。」

などと,いつも家庭に不在の父の立場を理解させるのです。
 そうした会話の中から我が子は,見えない父の立場が自然に理解できてきます。同時にいろいろなことについても相手の立場を理解できるような人に成長していくのです。


 
 また,お父さんが我が子を叱ると,
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「そんな風に叱らないで! かわいそうじゃないの。」

などと,叱ったお父さんを攻撃するお母さんがいらっしゃいますが,夫婦で教育観を同じにして,躾ける中で,お父さんが叱ったときは,

「お父さんはね。あなたがかわいいから叱るのよ。叩いたりしていないでしょ。お父さんは働いていて社会のことがよくわかっているの。あなたが大人になって困らないように,間違ったときに叱っているのよ。あなたでも見知らぬ関係がないどうでもいい人には,叱ったりしないでしょ。あなたが大切なの。お父さんのことわかってあげてね。」

などと,よくわかるように言い聞かせながら話をすれば,一層我が子は,父親の愛情も理解できます。
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 反対に,子どもの前で,父親の揚げ足を取ったり貶したり,なじったり,否定したりする母親の態度を見て育った子は,大人になると心の狭い相手のことを考えられない,自分の意見だけを通そうとする人になってしまうのです。そして,

「自分の意見と違う者は,話にならない。」
「黒白はっきりしないとダメだ。」
「右でなければ,左だ。」
といった極端な思想をもちがちで,周りの人からも嫌われことになってしまうのです。

 父親を尊敬している母親の姿から,我が子は父親を尊敬できるようになるし,社会においても包容力のある生活ができるようになるのです。
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 ここでは,父親に対する母親という立場で書きましたが,母親も父親と同様に働いている場合は,父親も子どもにとって見えない母親の姿を語っていくことは当然必要です。

 夫婦が仲良く生活することは最も大切なことで,その中で,夫婦がお互いの頑張りを我が子に語り教え,感謝し合うことが我が子に,優しく幅の広い見方・接し方を教えていくことになるのです。

275.責任感の強い子に!

2019.10.25 20:00|具体的な家庭教育例
我が子は,責任感の強い子に育っていますか?!


 担任としてクラスをもつと,こんな子がいます。
理屈をこねることは大好きでいろいろと自分の意見は述べるのですが,掃除や自分の係・担当の仕事に対しては,最後まで責任をもたず投げやりなことばかりしている子がいます。そんな子は,
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「箒がやりたかったのに,昭世さんが箒をとってしまったので,やる気がなくなってやりませんでした。」

「私は提出物チェック係だけれど,真央さんがなかなか出してくれないので私も忙しいので,できませんでした。」

「環境委員会の仕事で,美紀さんと意見が違って美紀さんに任せました。」
 このように,何らかの自分の勝手な理由をつけて自分の責任を放り投げてしまうのです。

こんな子はいつもクラスメイトから,
「あの子,いつも自分の都合のいいことばっかり言っているだけだわ。」
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「あんな子,結局,自分がやりたくないから人の性にしているだけだ。ずるいやつだ。」
などと嫌われることになります。

 このように過ごしてきた子が責任感をもてるようになるためには,多くの周りの働きかけと時間がいるようになります。
 では,こうならないためには責任感の強い子を家庭として,どのように育てたらよいのでしょうか?


【責任感の強い子に育てる秘訣】
◆親自信が,約束を守る。
 我が子との会話の場面で,ちょっとした約束を気安くしてしまうことがありますね。親の方は忘れていても,我が子はしっかりと覚えているのです。
 だからこそ,親にとってはちょっとした小さなつまらないと思えるような約束も必ず実行してあげることが大切なのです。
 その親の姿勢で我が子の責任感が,自然に強くなってくるのです。


「今度の日曜日は,車で海に連れて行ってあげるね。」
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と約束し,我が子に期待を抱かせておきながら,
「急に仕事になって行けなくなってしまった。」
と実行しなく,その代わりの日は設定しないまま,日にちが過ぎてしまう。

「あなたの好きなリンゴ,今日仕事の帰りに買ってきてあげるね。」
と朝,約束し,
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「あっ,忘れてしまった。ごめんね。」
で終わってしまう。

「この後片付け,やっておいてくれたら,100円あげるね。」
と約束しながら,(この約束が良いか悪いかは別です。),
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実際は,
「今,50円しかないので,これだけね。」
と言って,50円で終わってしまう。

 こうしたことを親の態度として見せては,我が子の心の奥(潜在意識)に親を信用しない心が育って行きます。そして,幼ければ幼いほど,「まね(模倣性)」をすることが強いので,本人は,
(無責任になろう。)
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などとは思っていないのですが,意識しないうちに自然に無責任な性格になってしまうのです。

「忙しくていつ変更になるかわからない」,「できないかもしれない」という実態の親の立場ならば,無責任な約束をしてはいけないのです。
 これは,約束を守るとか守らないといったこと以前のいい加減な態度なのです。それほど子どもの心に深く影響するのです。


 愛する我が子の将来のために,いい加減な約束をしないようにすることが,将来,責任感のある我が子にすることとなるのです。
 つまり,「約束したことは,必ず守る」という親の姿勢が,責任感の強い我が子にしていくのです。

274. 心に良い種まきを!(2)

2019.10.24 20:00|具体的な家庭教育例
我が子の心にいろいろな良い種を蒔きましょう!
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 良い種とは,どんな種なのでしょうか?
 それは,(1)明るい心の種,(2)優しい心の種,(3)思いやりのある心の種,(4)たくましい心の種,(5)寛大の心の種,(6)調和の心の種,(7)自主性のある種などです。

 それぞれの種について,どう蒔いていくのかを考えてみましょう。
(1)明るい心の種蒔き
 明るい心の種とは,物事を明るく見ていく種です。
 我が子が,お茶碗を割ったとします。
「どうして,茶碗を割ったしまったの。それ高いのよ。気をつけなさいよ。」
ではなく,どうして茶碗を持ったのかなどの原因を考えて,明るい見方を示すのです。

「お母さんのお手伝いをしようとしてくれたの。ありがとう。お茶碗を運ぶときは,こう持つと良いのよ。これからもお手伝い頼むね。」
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「妹の沙羅ちゃんがお茶碗を落としそうになってかばってあげたら落っこちちゃったの。ありがとうね。気にしなくて良いよ。」


(2)優しい心の種蒔き
 優しい心とは,目に見える形として相手に働きかける心です。これは相手が望んでいるかはどうかは関係がなく,あくまでも自分の一方的な思いによるものです。だから,相手が望んでいるとは限りません。でも,この「優しい心の種」を我が子に蒔かせたいのです。
 
「そう,重たい荷物を持っているおばあさんがいたので持ってあげたの。良いことをしたわね。」

「母の日のプレゼントとして,肩たたき券をくれたの! ありがとう。お母さん嬉しいわ。」


(3)思いやりのある心の種蒔き
 思いやりのある心とは,相手の心の面を思い,見返りを求めない純粋な気遣いです。この相手の心を思う「思いやりのある心の種」が人として一番重要なのです。
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 サッカーの試合に負けてきた弟に何も聞かず,そっと自分のお菓子をあげている姉の姿を見て,
「お姉ちゃんは,有紀の気持ちがよくわかるね。お姉ちゃんがバスケで負けたときも沈んでいたもんね。有紀は嬉しかったと思うよ。」

 叱られている姉をみて,余計なことを言わないようにそっと自分の部屋に行く弟を見て,
「そういうときって,知らんふりしていてほしいもんね。あなたは優しい子だね。」
 こんな言葉で,「思いやりのある心の種」をどんどん蒔いてほしいのです。


(4)たくましい心の種蒔き
 たくましい心とは,内面(精神)の力強さや丈夫さのことです。
「よく頑張った。野球の試合で,(もうダメだ。)と思えるときにも自分を信じてバットを振れたね。」

「成績が下がってどうなるかと思ったけれど,毎日よくあれだけコツコツと努力できたね。見直したわ。」

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「あなたなら,必ずできる。やり遂げなさいよ。」
 このような言葉をかけ続けられたら,自分の力を信じて努力できる子になっていきます。 


(5)寛大の心の種蒔き
 寛大の心とは,いろいろな人の考えや価値観を理解し受け止める心です。
「良樹君のあのわがままをよく聞いてあげれたわね。良樹君の今の立場を考えてあげれたのね。お母さんが子どもの頃にはとてもできなかったわ。」

「あなたは意地悪されていたのに,よく許してあげたわね。心が広いね。」
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「あれほど大事にしていた物なのに,壊されて悔しかっただろうけど,『わざとじゃないから。』と言えたあなたには,お母さん,じんときちゃった。」
 こうした寛大の心が現れた場面できっちっと価値づけることが「寛大の心の種」を蒔き続けることなのです。


(6)調和の心の種蒔き
 調和の心とは,自分だけでなく周りのみんなが常に幸せに生きることを願う心です。
「先生が言われていたけれど,あなたはドッジボールに入れてもらえない子がいると必ず誘って入れてあげ,みんなで楽しく過ごせるようにもっていっているんだって。すごいね。」
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「クラスで喧嘩があると,あなたは,『喧嘩は止めて!』と言える!? 小さな声でよいから言ってみると,その場の雰囲気が変わるわよ。」
 目だったことでなくてもできることを教えることで,我が子に「調和の心の種」を蒔くことができます。


(7)自主性のある種蒔き
 自主性とは,取り組むことが決められていたりはっきりしていたりする場合に使われる言葉です。だから,自主性をもって行動するときは,自分がやるべきことは何かを考えることが重要になってきます。

「今日もお風呂のお掃除をちゃんとやってくれたわね。ありがとう。助かるわ。」
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「花壇の水やりやってくれたの。頼んでもいないのにありがとう。」
 このように自主性をもった行動を見逃さず,認めていくことが「自主性のある種」蒔きをすることなのです。


 我が子と話をするときには,我が子に関することは勿論ですが,他人のことについても,悪い話,暗い話,人の弱点の話などは子どもの前では避けるようにしたいのです。
 こどもの前では,よい話,明るい話,人の強みの話などを取り上げて,家族で話し合ったり褒めあったりすることが大切なのです。
 そして,我が子を信頼して将来の美しい開花を我が子とともに実現させる努力を毎日して行きたいのです。

273. 心に良い種まきを!(1)

2019.10.23 20:00|具体的な家庭教育例
我が子の心に良い種まきができていますか?!
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 小学校まではとても良く努力し安心して見ていられた子が,中学生になると非行に走ったり勉強をしなくなったりといった姿が出てくることがあります。
 その子は,どうしてしまったのでしょうか? 中学校に入って環境が変わったからでしょうか? でも,誰でも環境が変わるのに家の子だけがおかしくなってしまったという方があります。
 それは,幼い頃に我が子の心に良い種をまかなかったことから起こっているのです。


【幼い我が子の心に良い種を蒔くとはどういうことなのでしょうか?】
 子どもは「人の真似をする」という心の習慣が非常に強いのです。
良いことも悪いことも周りを見て真似をしてしまうことから学習が始まるのです。

 このことから,「我が子にもたせたい性質,考え方,行動など」は,親自ら行って見せていけば良いことがわかります。
 逆に,「我が子にもたせたくない性質,考え方,行動など」は,親が見せないように,行わないようにすれば良いのです。

 口やかましく言うだけなら,その口やかましさだけが身についていくのです。


どうして,子どもは「人の真似をする」ことで,「性質,考え方,行動など」になっていくのでしょうか?  
 それは,現在意識と潜在意識のことは,「1. ほめる教育がどうして大切なのか!?」でお話しましたが,普段の生活の中で,全て経験することは現在意識を通って潜在意識に入って行きます。それが積み重なって蓄えられていきます。そして,多くの場合には,潜在意識に蓄えられたことがいつの間にか自然な形でその子の習慣的な行動となって表現されるようになります。
 
 親は我が子が幼いと,
「まだ,小さいから何もわからないわ。」
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とか,
「まだ,小さいから知らないわ。」
などという子どもの実態をよく理解しない無責任さ,無関心さで言葉や行動に真似されてはいけないことを繰り返し繰り返し行っているのです。これが種まきなのです。

「あなたは,ちっとも自分から勉強をしない子ね。」
「いつも勉強しないから,テストが悪いのよ。」
 こんな言葉の種を蒔かれ続けられた子は,中学校に行っていやいや塾へ通ってもなかなか成果は出ません。
「勉強をしないあなたなのよ。テストも点数が取れない子よ。」と種を蒔いた成果です。

「あなたはどうしてそんなに粗野なの。お母さんには考えられないわ。」
「あなたは,人が悲しんでいるところを見てなんとも思わないの? 末恐ろしいわ。」
 こんな言葉の種を蒔かれ続けられた子は,中学校に行ってどうして,落ち着いた中学校生活を送ることができるでしょうか? 
「家庭内暴力や友達へのいじめ」などは,種を蒔いたことが形を変えて出てきた成果です。

 逆に,
「この花きれいでしょう。花を大切にできる子は優しい子なのよ。早希ちゃんはお花が大好きだものね。」
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「アリさんを踏まないように避けてあげたの。アリさんが『ありがとう。』と言っているね。なんて優しい子なのかしら。」
「妹が泣くとすぐに,『どうしたの。』と気にかけてくれるわね。周りの人をいつも気遣ってくれるのね。」
 こんな言葉の種を蒔かれ続けられた子は,中学校に行ったらみんなに信頼され,リーダーとしてみんなに支えられて活躍できますね。
「なんて優しい子なの。いつも気遣ってくれる子ね。」という素晴らしい種を蒔いた成果です。


 幼児期から親達は,慎重に一つ一つの言葉をつかい,慎重に一つ一つの行動をしなければならないのです。
「でも,そんなことを考えていたら疲れちゃうわ。」
という方があったら,幼児であっても大人として扱わないといけない,むしろ,「体は小さくても大人なんだ」という意識で生活すれば良いのです。


 産婦人科の権威あるお医者さんがこんなことを本のインタビーの中で話していらっしゃいました。

「お腹の中に赤ちゃんがいるとき,あるお父さんはどうせお腹の中にいるのでわかりはしないと奥さんをなじったり,『馬鹿。」と言ったりして喧嘩をよくしていました。
 また,ある夫婦は,お腹の中にいても胎教といって『赤ちゃんはちゃんと話を聞いている。』という話を聞いていたので,仲良くし,お父さんは『大好きだよ。早く出てきて。』などと言っていました。
 どうなったと思いますか? 
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 喧嘩をしてお母さんを悲しませた父親は,『生まれてきた子に怖い顔でにらまれた。』と言っていました。
 仲が良かった方の子はにっこりとお父さんを見たと言っていました。」

とありました。

 赤ちゃんは,目が見える見えないの問題はあるでしょうが,生まれたばかりの赤ちゃんにも言葉がわかっているのです。だとしたら,幼児期の我が子は当然認識し,真似をし成長をしているのです。

 親は,言葉や態度を選んで我が子に接することを生まれたときから行っていかないと中学・高校につけを回しては大変です。もともと素晴らしい子達です。あとは親の対応次第なのです。
 次は,良い種の言葉についてもう少し考えてみましょう。

272. 勉強がしたくなる家庭の雰囲気?!

2019.10.22 20:00|具体的な家庭教育例
我が家には,勉強がしたくなる家庭の雰囲気がありますか?!
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「ちっとも勉強をしようとしないので,ついガミガミ言ってしまいます。」
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「どうしたら,自分から進んで宿題をやってくれるようになるのかしら?」

このように,言われるお母さんがあるかと思うと,
「何も言わなくても自分からやってくれるので,これが普通だと思っていました。」
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「2年生途中から,言わなくてもやるようになりました。今はとても楽です。」
と,今の状態に満足していらっしゃるお母さんもいられます。何が違うのでしょうか?

 子どもは,もともと勉強が嫌いなのでしょうか? 
小さい頃の我が子を思い出してください。学習意欲の塊ではなかったでしょうか。


◇何かわからないことがあると,
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「あれ,何?」
「なんで,○○なの?」
といったように質問をぶっつけてくることが多くて,うるさいくらいではなかったのではないでしょうか。

◇気になるものを見つけると,
jisyo_jiten_boy.png
いつまでもいじっていたり,捜し物があると後のことは考えずに散らかしまくったりしていませんでしたか。

◇じっとしていることなく,
何かを見つけて触ったりして動き続けていませんでしたか。

 でも,小学校に入り,4・5年生になる頃には,
「算数が嫌いだ。」
school_textbook_omoi_boy.png
「勉強そのものが嫌いだ。やる気にならない。」
などと言う子が多くなるのは,学校にも問題があるかもしれませんが,家庭にも問題が大きくあるとは思われませんか?

 つまり,
「家庭で勉強を嫌いにさせるようなことをしてはいらっしゃらないのですか。」
ということです。
shitsuke_hysteria_father.png

 その改善策を考えてみようと思います。

改善策 子どもを「一人の人間」として見る。 
(変なことを言うのだなあ。)
と思われたと思います。でも,我が子を「一人の人間」として見るより「一つの機械」のように知らず知らずのうちに見てはいなかったでしょうか。
machine_robot_contest_big.png
 ちょっとチェックをしてみてください。次のような言葉があれば,「一つの機械」のように我が子を知らず知らずのうちに見ていたのです


【学校から帰ってきたとき】

□「宿題はあるんでしょ。しっかりやりなさいよ。」
□「テスト何点だった。いい点取れたの?」
shitsuke_shikaru_mother.png
□「おやつはそこにあるから,食べたら勉強しなさいよ。」
□「ちゃんとカバンを自分の部屋に持って行きなさいよ。」



【テレビの前などでなかなか勉強をしないとき】
videogame_boy.png

□「剛史,勉強の時間よ。」
□「いつまでゲームやっているの?」
□「明日も宿題忘れるんじゃないわよ。」
□「そんなことしていると,○○さんに負けちゃうよ。悔しくないの?」



 こんなことを毎日言い続けられたら,
「お母さんは,ぼくのことを『点取り機械』にしか思っていないのかよ。」
「ママは,点さえ取ってくれば私なんかどうなってもいいんだわ。」

 このように思えてならないのです。本当は勉強をしようとも思っているし,取り組みたいのだけれど,気分が壊されてしまうのです。

 だから,中学年・高学年になると,
「○○,勉強の時間よ。」
などと言われると,

「今日は宿題無いんだわ。」
とわざと茶化してみたり,
hyoujou_text_man_punpun.png
「言われなくったってわかっとるわ。うるさいなあ。」
とか
「今やろうと思っていたのに,やる気がなくなっちゃった。ああ。」
study_yaruki_nai_woman.png
などと,全く取り組もうとしなくなったりします。

「昨日まで取り組んでいないのに,今日言わないくらいで自分から取り組むとは思えません。」
と言われれば,その通りだと思います。
 でも,今までの対応を反省し,我が子に伝え,切り替えをしないと,
「何も言わなくても自分からやってくれるので,これが普通だと思っていました。」
とは,いつまで経っても言うことができないのです。
 
 まず,帰宅したときの迎えの言葉を変えなければいけません。
「今日も学校楽しく行ってこれたの。どんな楽しいことがあったの。」
「お母さんとの約束,今日も頑張ってね。お母さん安心していられるわ。」
hyoujou_text_woman_nikoniko.png
「夕ご飯は,7時半だからね。一緒に楽しく食べようね。」

などと,勉強がしたくなる家庭の雰囲気をつくっていきましょう。
 お母さんやお父さんが子どもより遅く帰る家庭であっても,同じことです。
「もう,勉強終わらせれたでしょうね。」
ではなく,
「優ちゃんの頑張り見せて!」
などと,一人の立派な人間に対する接し方をしていけば,勉強がしたくなる家庭の雰囲気をつくっていけます。

プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

家庭教育法について情報発信中

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