97. 物の扱い方で,その子の心がわかる!?

2019.04.30 22:43|学校教育との連携
子どもに限らず大人でもそうですが,物の扱い方で,その人の心がわかるものです! 

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 我が子は,物の扱い方はどうでしょうか? まず,自分の物は大切に扱うことができるでしょうか? 兄弟姉妹や家族,友達など自分以外の物も大切に扱えますか?

【自分の物を大切にする姿】 ※チェックをしてみてください。
□はさみや消しゴムなどを投げたりせず,手渡しできる。或いは元の場所に置ける。
□消しゴムを,カッターやハサミで切ったりすることはない。
□教科書や本を読んだら読みっぱなしにすることはなく,後片付をしっかりとする。
□大切なゲームやPC等のそばに飲み物などを平気に置くことはなく,こぼれた時のことに配慮できる。
□誕生日やいろいろな記念日などに買ってもらった物を2,3日するとほったらかしにするといったことはなく,いつまでも大切にできる。
□カバンなどは,学校から帰ったら玄関先などに置きっぱなしにすることはない。
□自分が植えた花や植物などには水をやるなどの世話をしっかりとする。
□靴などを脱いだりするときには優しく扱い,丁寧にそろえる。
□脱衣した服で再び着る服は,きちんとたたんだりハンガーに掛けたりできる。
□まだ使えるような紙は,大切に扱える。

 クラスの子ども達を見ていると,さまざまな場面で自分の物以外を大切にしている姿を見ることができます。そんな姿を見たときは,こちらの心が温かくなってきます。そんな姿の子を少し紹介します。

【他人の物を大切にする姿】 ※我が子はできますか? チェックしてみてください。
□学校で借りてきた図書は,手提げ袋に入れて運んだりして自分の本以上に大切にできる。
□落とし物の鉛筆などがあると,なんとかして本人に返そうと繰り返し「落としていませんか。自分のじゃないですか。」と聞き回る。
□教科書に落書きをしている子を見つけると自分で注意したり,聞いてくれないと担任に働きかけてくる。
□黒板の下にチョークなどが落ちていると,素早く拾って友達が踏まないように気遣う。
□友達が教室に持ってきてくれた花の水やりを自主的に行なってくれる。
□授業で机についたマジックの線を消しゴムで,自分だけの分だけでなく人の席のものをも消そうとする。(油性のマジックの線も消しゴムで多くは消えます。)
□箒を振り回したり逆に間違って逆さに使ったりしていると,正しい扱いを働きかける。
□タイマーがなりっぱなしだと電池の節約を考えて,必要がなくなるとすぐ上める。
□友達が教科書やファイル,筆箱などを特別室に忘れると必ずもって帰ってくれる。
□昼休みにボールなどの道具が忘れてあると,自分のクラスでなくても持って帰って届ける。

 自分の物を大切にすることは当然のことですが,それだけでもとても難しいことです。それよりももっと難しいことは,人の物を自分の物のように取り扱えることです。では,どのようにしたら良いのでしょうか。

手立て1 「物ものにして,物にあらず」を教える。
 鉛筆にしても机にしても食事にしてもあらゆる自分の周りの物は,「物には違いないが単なる物ではない」のです。そのものに込められている思いを教えていくことが必要なのです。それには,次のようなことが考えられます。 (○○は物の名前です。)(1)○○を考え,使ってもらいたいという願い・考えがこもっている。
(2)○○を作った人の有効的に使ってほしいという思いがこもっている。
(3)○○を運んでくれた人の役だってほしいという運んだ思いがこもっている。
(4)この世に,○○が生まれたことへの神秘とか不思議さ(宗教的に言えば,神様なり仏様なりの思いがある。)

「あって当たり前」ではなく,「あって有り難い」ということを感じさせていただきたいのです。

手立て2 親の我が子に対する思いを伝える。
 親は,我が子がみんなと同じように不自由なく勉強や生活できることを願っています。だから,無理しても働くし自分が我慢してでも我が子を優先するのです。その思いを伝えてほしいのです。今の子ども達の多くは,(親が物を与えてくれて当然。)と思っています。そんな子ども達には,担任として次のような話をよくしました。
 我が子よりも自分を優先して,我が子を置き去りにした親の事例などを話したりすると,(なんと自分は幸せなのだ。)と初めて思う子もいます。恩着せがましく話をすると,聞く方も嫌ですが,「仕事場でこんなこともあるんだけれど,お母さんも頑張って働いているのよ。だから,そこでいただいたお金で買った○○は大切に使ってね。」等と親の思いを伝えてあげてください。

手立て3 友達の親もまた同じ思いであることを伝える。 
 親として我が子に思っている感情は,友達の親も同じだということを伝えてください。そのことによって,友達の消しゴムが落ちていれば,(○○ちゃんのお母さんが悲しむわ。)と拾ってあげることができるのです。
 他人の物を大切にする事例の中で紹介した,「落書きを注意したり人の分まで消している子,友達が教室に持ってきてくれた花の水やりを自主的に行なってくれる子,授業で机についたマジックの線を消しゴムで,自分だけの分だけでなく人の席も消そうとする子,友達が教科書やファイル・筆箱などを特別室に忘れると必ずもって帰ってくれる子,昼休みにボールなどの道具が忘れてあると,自分のクラスでなくても持って帰って届ける子等々」
 こんな子達はこれら3つの手立てが既に実を結んでいる家庭の子だと思います。

番外編② ファンガレイ

2019.04.30 00:00|NZの家庭教育
Bay of Islands Bay of Islands Silver Fern
Rainbow Falls Rainbow Falls Bay of Islands
Bay of Islands Go to Fishing Bay of Islands

/ Bay of Island
/ Bay of Island
/ Silver Firn
/ Rainbow Falls
/ Rainbow Falls
/ Bay of Islands
/ Bay of Islands
/ Go to Fishing
/ Bay of Islands


番外編②になります。首都オークランドから、北へ車で3時間移動した、ファンガレイ。海、川、山、森、島に囲まれた奇麗なリゾート地になります。滝、海、蛍、草原、羊などといった大自然を満喫。特に規格外の魚がたくさん釣れるフィッシングには、驚きと楽しさを存分に感じることができました。次回ニュージーランドに訪れた際には、より北にある100マイルビーチや、南島にも足を是非運んでみたいものです。登山やクイーンズタウンという美しい街は楽しそうですね。

96. こちらの悪い思いは,相手に伝わる?!

2019.04.29 20:22|学校教育との連携
 こちらの心の中の悪い思いは,相手に伝わるのを我が子に教えましょう!

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 よく高学年の女の子が,「あの子がにらんでくるので,嫌だ。だから私もにらんでやりました。」こんなことを言ってくることがあります。こんなことを訴えられると,「相手の女の子はどんな気持ちでそんなことをしてくるんだろう。」と,担任として慌てて対応しますが,こんな場合もありました。

 相手の女の子に「○○さんをにらんだりしたことある?」と聞くと,何のことを言われているかわからない様子です。「では,△△さんににらまれたことある?」と聞くと,「なんだかわからないけれど,昨日にらまれました。」と言います。
 詳しく聞いていくと,にらんだという女の子は,目が悪くて見にくいと目を少ししかめるようにして見るようです。そのことを知らずに相手を見ると,にらんでくるように見えるのです。そこで,この子には,「誤解をされるので,こうした目つきをしない方が良いね。」「それから目医者に行くと良いよ。」と話しました。

 「にらまれた。」と言っていた女の子には事情を話すとともに,しっかりと確かめるなり本人に「どうしてにらんでくるの?」等と聞くとはっきりすることを話しました。

 このことからわかったことは,受け取る子の心持ちです。相手が自分のことを悪く思っているという被害妄想的に思っていると,誤解が生じてしまうものです。今回は,誤解だとして早く解決したのですが,これが発展していがみ合いになると,周りの女子を巻き込んでいじめになることがありました。 
 
 我が子には「私は友達といつもうまくいく,明るく生活ができる」ということを常に意識するように働きかけ,潜在意識に明るく友達を大切にする心を蓄積させていくことがこうしたことに巻き込まれない環境を創ることになることを教えていくのです。
 笑顔で明るく生活することが,こうしたことに巻き込まれない最高の方法なのです。

95. 一人でも自分を信じてくれる人がいる!?

2019.04.28 20:34|具体的な家庭教育例
我が子は,(お父さん,お母さんは自分を信じてくれている。)と思っていてくれますか?

 どうしてこんなことを聞くのだろうか? 
(親だからあたり前でしょう。)と思われるかもしれません。でも,子ども達の中には表面上はそうした心を出さないけれども,(誰か一人くらいは自分を信じてくれても良いのに。)と思っている子がいます。
これから紹介する子は,親にも担任にも信じてもらえず,荒れていた中学生徒が立ち直った例です。
 
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 私が中学校のある部活を担当したときです。ある生徒が部活ではレギュラーを目指して一生懸命努力をしていました。その頑張りに,(よく頑張っているなあ。)といつも声がけをしていました。ところが,廊下を通ったとき,その子の授業中をなんとなく見ると,全く授業を聞いていなく,騒いだり他事をしたりしています。次の時間に見に行くと寝ていました。心配になって担任に聞くと驚くべき言葉が返ってきました。

「あの子は,いつもああした態度で授業をまともに受けられません。どうしようもない子です。親さんに話しても一向に変わりません。お手上げです。」と。

 その先生は私から見ても力のある優しい素晴らしい先生でした。その先生からこのような言葉が返ってくるとは思ってもみませんでした。部活が終わって,その生徒と話をしました。

「部活では本当に一生懸命努力しているのに,どうして授業ではあの頑張りが出せないの?」
「授業は全くわからないし,担任も親もいろいろとうるさく言うだけでどうしたらよいのかは言ってくれない。困っているのは自分です。ああしているしか仕方がないんです。」
「家の人はあなたのことをなんと言っているの?」
「どうしようもないやつ。」
「担任はどう言っているの?」
「いつも注意してもやらないどうしようもないやつと思っていると思う。」
「先生が担任に聞いたら,あなたの言うとおり「どうしようもないやつ。」と思っているようだよ。悔しくないか。見返してやりたくないか。」
「できるもんなら見返してやりたい。(その表情は,本当に悔しそうでした。)」
「これから私が言うことができるかな。それをやり遂げたら授業もわかるようになるし,担任や友達も見直してくれる。高校もちゃんと行けるようになる。どうだ。」
「本当にやればできるようになるの? だったらやる!!」
「これから言うことは,信じなくてもいい。だけど,先生の経験上,やれば必ずできるようになる。○○の根性次第だ。『やる。』と言ったからにはちゃんとやるんだね。これから言うことを聞いてから『無理だ。』というのはだめだぞ。」
「ちゃんとやるから。何をすれば良いのですか。」
「(1)授業の内容がわかってもわからなくても黙って聞く。
 (2)教科担が書いた板書は,わかってもわからなくとも必ず書く。
 (3)出歩いたり他事をしたりしない。
 (4)寝ない。
 (5)質問などされたら,わからないときは『わかりません。』としっかり答える。」

「本当に,こんなことで勉強ができるようになるの?」
「大丈夫,これで良い。」
 このやりとりの次の日からこの生徒は,5つの約束を確実に守り続けました。これは今までの自分の姿が嫌で嫌で仕方がなかったことを意味します。抜け出したかったのです。今まではそれをするしかなかったのです。
 職員会でもその子の学年の先生の話の中でも,この変わりようが話題になりました。私は,「約束だぞ。」と言うことを言い続けました。その生徒の2年生の5月のあの話し合いから月日は過ぎました。

「先生,どうして先生の部活のあの生徒は,あんなにだめだったのにあんなに一生懸命授業を受けるようになったんでしょうね。普通じゃ考えられないけれど,数学だって国語だってとてもできなかったのに,点数が平均よりとれるようになってきたんですよ。不思議じゃありませんか。」と言う担任に対して,
「実は5月に先生に聞いた後,話をしたんです。そして5つの約束をしました。(上の5つについて説明する。)そして,言ってはいけないことだけれど,あえて次のように言いました。『担任の先生もあいつはだめだ。と言っているよ。悔しくないか。見返してやりたくないかい。』と,私が言うことができたら立ち直れるという言葉を信じて必死で努力したと思います。人は,一人でも誰かが信じてくれたら頑張れるんです。私は部活の顧問だったけれど,その子の本当の姿を信じたのです。」 
 担任の先生は,「私がやらなければならないことをやっていただいて。」と深く反省をされていたようです。
 
 この嘘のような本当の話からはっきりしていることは,誰か一人でも自分を信じてくれる人がいれば,人は頑張れるのです。子どもの5つの願いの①「認められたい」,②「褒められたい」。③「愛されたい」,④「人の役に立ちたい」,⑤「自由でありたい」それら全部の願いが「一人でも自分を信じてくれる」ことでかなえられるのです。
 
 その「誰か一人でも信じてくれている人」とは,本当は親であるはずです。なぜなら親から生を受けたのですから。

94. 失敗でガミガミ言わないで!

2019.04.27 22:01|具体的な家庭教育例
我が子の小さな失敗で,ガミガミ言っていませんか?

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 私が小学校や中学校,そして高校生時代に,友達がそんなに大した失敗やいたずらをしたのではないのに,ガミガミといつまでもお説教をいている先生がいました。
 その様子を見ていると,初めは,自分の行なったことを反省していた友達の姿だったけれど,あまりにもくどいのでその子達は途中から嫌やになっていい加減に「はい。はい。」と時間が過ぎるのを待っているような姿でした。
 私も何かで失敗したときにそうでした。(自分が教師なら伝えるべきことをわかりやすく手短に話し,次に同じことをさせないように上手に話をするのになあ。)と思ったものでした。
 高校生時代に1人だけ今までにないタイプの先生がいました。 仲の良い友達が女子をからかってその子が泣き出しました。それで,生徒指導の先生がガミガミとしつこく長い時間お説教をしていました。半ばあきれて,(もう,いいじゃないか。本人も反省しているのに。)と見ていると,Y先生がやって来て,「わかったやろ。次から気をつけろ。」と終わらせてくれました。その先生の指導の仕方にはみんなが指導を快く受け入れ,同じことをしませんでした。したがって,とても人気がありました。その先生が,私の目指す生徒指導の上手な先生でした。
 以上の話からわかるように,教師や親は失敗やいたずらの指導に対して,いろいろと留意する点があるのです。それらに気をつけると子どもの心にすーっと入っていきます。

留意点1 良い指導であっても同じことを長く繰り返さない。(端的な指導) 
 指導が長いと,そのことで反省する気持ちが薄れていきます。話す人の自己満足になってしまいがちです。

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留意点2 何が(どこが)まずかったのかの理由を,①本人の行動,②周りの人への迷惑の観点から具体的に話す。(具体的な理由)
 「だめだとわかるだろう。」等と言われても「なぜ,だめなのかを知らない」子が多いのです。

留意点3 日頃のその子の良さを話しながら,今回の行為の残念な点を話す。(その子の日頃の良さと今日の行為との比較) 
 その子の今回の行為がいけないことであり,「いつも同じようなことをして,だめじゃないか。」等と,その子自身を否定するような指導をしないことです。

留意点4 今後,どのように行動するのかを確認する。(方向性と期待)   
 次からへの期待が,同じことを繰り返さないブレーキになります。

 子どもには5つの願いがありました。その願いは,①「認められたい」,②「褒められたい」。③「愛されたい」,④「人の役に立ちたい」,⑤「自由でありたい」ということでした。愛する親からガミガミ言われることは,これら全てを否定されることです。わかりやすく言えば, 留意点1の「長く繰り返さない」ということは,「自由でありたい」の逆の行為です。留意点2の「何がまずかったのかの理由を話す」ことで親の愛情を感じ,「愛されたい」という気持ちが満足できます。留意点3の「日頃のその子の良さを話しながら,今回の行為の残念な点を話す」ことで自分は普段から,「認められ」,「褒められ」ていたと感じるのです。留意点4の「今後,どのように行動するかの確認」は期待されている,もっと「人の役に立ちたい」気持ちを高めます。
 親の忙しさ,面倒くささで,ついつい我が子に小さな失敗で,ガミガミ言っていたことは,(よいと思って行なっていたことは,全く逆のことをしていた。)とわかっていただけたと思います。同じエネルギーを使うならば,「子どもの5つの願い」にそった接し方で我が子を成長させていきましょう。

93. 「~したいです」でなく「~します」で努力を!

2019.04.26 22:00|具体的な家庭教育例
我が子は,「なりたいもの」,「したいもの」がはっきりとしていますか?

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 子ども達に目当てなり目標なりを書かせると,多くは次のように書いたり話したりします。
【目当ての場合】
「ぼくは,テストで100点をとりたいです。それは,自分の実力を十分出せるようにしたいからです。」
「私は,友達が寂しそうな顔をしていたら優しい声をかけて相談にのれる人になりたいです。」
【将来の目標の場合】
「ぼくは,プログラマーになりたいです。なぜなら,今でもPCを使ってゲームをどんどんするのが好きだからです。」
「私は,将来看護師になりたいです。母が看護師をしていて大変そうだけれど,憧れているからです。」

 これらに何か物足りなさを感じられませんか? そうです。(本当になってやるぞ。)という気迫なり思いが強く感じられません。言葉の重みは,一人一人の子ども達の思いや姿勢から出てくるものです。でも,上の表現では出てきません。
 逆に,言葉にそうした思いや姿勢が強く感じられると,初めは言葉だけであったものが実際の行動にも現れてきます。このことは多くの子の担任をしていて得られた結論です。 

 そこで,私は担任になると,子ども達が上のように目当て・目標を思い思いに書いてきたら,次のように「言い切り」の表現に修正させました。
【目当ての場合】
「ぼくは,テストで100点をとります。それは,自分の実力を十分出せる自分になるためです。」
「私は,友達が寂しそうな顔をしていたら,優しい声をかけて相談にのれる人になります。」
【将来の目標の場合】
「ぼくは,プログラマーになります。なぜなら,今でもPCを使ってゲームをどんどんするのが好きだからです。」
「私は,将来看護師になります。母が看護師をしていて大変そうだけれど,憧れているからです。」

 ちょっとした言葉の末尾が違うだけです。「~したいです」が「~します」と変わっただけです
 ところが,これを文章に書き,音読すると明らかに姿勢に違いが出てきます。毎日,教室で見たり読んだり反省をしたりしていると,この言い切りの言葉に,(わたしは,「~します。」と書いた以上は,やるんだ。やるしかないんだ。単なる希望じゃない。)という意識が積み重なってきます。つまり,現在意識にも意識をするようになってきますが,それ以上に潜在意識に「できる」自分を蓄積していきます。それが現在意識に跳ね返ってきます。 
 将来の目標はどんどん年令に応じて変わっていくでしょう。それはそれで素晴らしいことです。でも,その時点での強い夢は次の夢へとつながります。
 目当ては,確実にできるようになってきます。なぜなら,公の場(教室)で言い切って書き,公の場で言い切って話したからには「やるきる」しかないのです。「~したい」という希望の表現ならば,「あれは希望よ。」と言い訳をすることができたでしょうが,「~します。」ではそうはいきません。
 「目標や目当て」をこうした「言い切り」の形で表現させ,実践させた子達に1年たって,「どうだった。」とよく聞きました。

「みんなの前で,『○○をします。』と言ったときに,(できなかったらどうしよう。嘘つきと言われたらどうしよう。みんなができて,ぼくだけできなかったらどうしよう。)と思ったので,余計に一生懸命頑張ったら,ちゃんとできて自分でも気がついたらできる自分がいてびっくりした。」というようなことを多くの子が言っていました。
 まさに,「~したいです」を「~します」とすることは,我が子に背水の陣を敷かせることだったのです。家庭でも,「○○をします。」という目当てや目標にすると我が子はいっそう努力できますね。

92. 「ありがとう。」は友達づくり

2019.04.25 22:15|具体的な家庭教育例
我が子は,「ありがとう。」と言えますか?!

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 我が子は,「ありがとう。」と言えますか? 
「41.朝のあいさつから」で,朝の出発が大切なので,朝のあいさつをぜひできるようにしましょうということをお話ししました。「おはよう。」という言葉と同様に,この「ありがとう。」も,とても人間関係において大切な言葉なのです。

「ありがとう。」を言うことは,とても大切だということは誰でもわかっていると思いますが,どうして大切なのでしょうか? 
このことを知らない子ども達が多いのです。
 試しに我が子に,「どうして,ありがとうを言うとよいの?」と,聞いてみてください。

「だって,何かをもらったり,してもらったりしたら『ありがとう。』と言うのは当たり前だよ。」
「『ありがとう。』と言われると,嬉しいよ。」
「『ありがとう。』を言うのは,人として当然じゃないの。」
「『ありがとう。』と言うと,お互いに気持ちがいいよ。」

といった返事が返ってくると思います。でも,さらに,その上のことを言える子が少ないのです。 

 「『ありがとう。』と言っている子は,みんなに好かれ,友達がいっぱいできるんだよ。」
つまり,『ありがとう。』と言える子は,仲間をどんどん増やしていきます。


 我が子は,友達が多いですか? 多い子はこの『ありがとう。』が自然に言えている子です。友達がいない,或いは本当に少ない子はこの『ありがとう。』が言えない子なのです。

 『ありがとう。』が言えない理由はいくつか考えられます。

理由(1) 「やってもらう,物をもらう」のは当たり前だと思っている。
 親や周りから世話をやいてもらい,(やってもらうことが当然だ。)とあたかも自分を王様,お姫様のように思っている子がいます。つまり,甘やかし過ぎて感受性のない子に育ってしまった子です。

理由(2) 自分が人にしてあげたり物をあげたりしたことがないために,その子の立場での気持ちがわからない。 
 人は経験して分だけ成長します。
 童話で王子様が生きがいがなく,つまらない世の中だと嘆きます。王様は王子のこの様子を見て,「王子が生きがいをもつことができるようにした者には褒美をつかわす。」と国中にお触れを出します。誰も王子の気持ちを変えることができなかったが,悪魔が「何でも良いから人が喜ぶことをしなさい。」と告げます。王子は家来が捜し物をしているので,「これかい。」と探して与えたら家来がとても喜んだ。これを見て(人のためにすることは嬉しく楽しいことだ。)と知ったという話があります。
 自分が忙しくても他のために,或いはこのことはしたくなくても人のために,或いは喜んで人のために行動したという経験のない人は,その子がどのような気持ちで行動しているかがわかりません。したがって,何ら感動が起こらないために感謝の気持ちは生まれません。

理由(3) 自分が人にしてしてもらったり物をもらったりしたことがないために,その時の嬉しい気持ちがわからない。
 自分が忙しくても友達のために手伝ってあげる子,自分はそれを使いたいけれどあえて譲ってあげる子,これらの子は他を優先した行動をとっているので,逆に自分に優先的に行ってくれる子がいたら嬉しくて,感謝する気持ちがいっそうわいてきます。

理由(4) 人に温かい言葉をかけていると人からもかけられ,いつの間にか親しい人が身の回りにいるという経験が無い。 
 人と人とは気持ちで通じ合います。温かい言葉で「次も頑張って!」等と応援されたり,「次こそできるよ。」等と励まされたりすると,それに応えようと努力しますし,嬉しくてその子にいっそう返していこうと思うものです。でも,こうした関係がなければ,感謝の情は育ちません。

理由(5) 家庭で『ありがとう。』という言葉を使うことがなく,その使い方を知らない。 
「当然やって当たり前。」「してくれて当たり前。」という親の姿勢の中で過ごしてきた子は,「ありがとう。」という感謝の言葉は耳にしません。したがって,感謝の気持ちが生まれる環境ではありません。この環境で育った子は,「ありがとう。」は言いません。 

 では,どうしたらよいのでしょうか。
手立て(1) 「やってもらう,物をもらう」のは,有り難いことだと教える。 
 そのためには,我が子に積極的に人のためにする行いをさせなければなりません。
「今日は,どんなことを友達にして喜ばれたの!?」等と毎日聞き,聞くのを喜んでいると自然に行う子になります。

手立て(2) 人にしてあげたり物をあげたりしたことで,行う子の喜びの気持ちを体感させる。 
 人のためになることを行っていれば,「ありがとう。」と誰かが必ず言ってくれます。その積み上げです。

手立て(3) 人にしてしてもらったり物をもらったりした時は,必ず「ありがとう。」と返事をするようにさせる。
 礼儀として「ありがとう。」を言っていればそれが普通になるし,言ったことによる相手の表情を見ればさらに言って良かったという気持ちになります。

手立て(4) 家庭と学校とで連携して,小さなことで良いから「ありがとう。」という言葉を常に使う習慣作りを行っていく。
 日頃,どれだけ「ありがとう。」が自然に言えるように生活させるかです。

「うちの子は友達がどんどん増えたよ。人気者だよ。」と言えるようにするには,「ありがとう。」と言える子にすれば良いのです。そうすれば,仲間はどんどん増えていきます。「ありがとう。」が友達づくりのキーワードだったのです。

91. 軽蔑する行為を軽蔑せよ!

2019.04.24 20:06|具体的な家庭教育例
我が子は友達を軽蔑したりしませんか?
 
 我が子が友達を軽蔑する場面に遭遇したことはありませんか? 親の前でそうした場面があったらならば,いつも行っていることが多いのです。親は知らなくても親のいないところで友達を馬鹿にする子がいます。例えば,
「そんなこともわからんのか。馬鹿じゃない。ちゃんと昨日,算数でやったやないか。」といった具合に友達を軽蔑するのです。
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 なぜ,この子(S君)は,こうした人を傷つける言葉を発するのでしょうか?

理由1 自分の頑張りに対して正当な評価をされていないと思っている。 
 大人の社会にもこうした人がいるものです。確かに仕事は人一倍でき優秀です。でも,人間性の問題で(俺はできる,俺ができるだろう。)と自分だけを目だ立たせようとするので逆に評価されないのです。
 子どもの中にも同じような子がいます。きっと大人になると,このような大人になると思います。
 私が教えたS君は,確かに優秀で100点以外とったことのない子でした。本当にすごい子です。でも評価されません。なぜなら他をこけ下ろすことが逆に自分が目立つと思っていたからです。よくよく観察していくと,実はお母さんに原因がありました。お母さんもお父さんも優秀な方で,やはり100点以外はあり得ない家庭でした。だから,100点を取り続けてもほめられることが1度もなかったのです。当然のことだったのです。寂しかったのです。

理由2 (自分より低い点数をとっている子がほめられているのはおかしい。)と思っている。 
 友達がテストの次の日に話していることを聞いていると,
「昨日,90点見せたらめちゃめちゃ喜んでくれたぜ。」
「ぼくなんか,85点でお母さん嬉しくてぼくの好きなカレーと唐揚げを作ってくれたよ。」
「私なんか,90点でへへへ,お小遣いもらっちゃった。」などと自慢げに話している。
 ぼくは100点をとってもほめられない。でも,友達は90点をとっても「すごい。」とほめられている。何でだ!
 そんな不満から友達への攻撃となっていたのです。
 

理由3 家庭の言葉遣いそのものが,冷たい馬鹿にしたような環境であった。
 家庭訪問に行ってもお母さんはにこっともせず,「無愛想で,できて当たり前,できないことが我が家の子にはあり得ない」そんな口ぶりでした。「もう少し,温かい認める接し方をお願いしたいです。」と依頼すると,「そんなことうちの子には必要ありません。」と若い教師の私にきっぱりと言い切られました。

 そこで,担任として取った行動は,「友達を傷つける言葉を絶対に言わせない」という方針でした。「ああそれ,また,75点,これ見てみろや。100点すごいやろ。馬鹿は同じように勉強していてもできないんだよな。これが・・・。俺様は天才だから100点さ。」のように,毎日いろいろな子に馬鹿にした言葉を連発します。
 そこで,「S君は,天才じゃない。天才はそんな人を馬鹿にするような言葉を言わない。天才じゃないから人を馬鹿にする言葉を平気で言うんだ。」とその都度,強く叱りました。この頃の私はまだ若く,S君の良さを評価しながらこの言葉は天才の言う言葉ではないと言う余裕がありませんでした。その結果は,このS君は段々と成績が下がってきました。95点,90点,75点,とうとう70点をとるようになりました。
 そこで,お母さんが学校に抗議にいらっしゃいました。「先生が担任になってから,今までとったこともない点数を取るようになりました。うちの子は医者にならなければならないのです。70点なんてあり得ませんよ。どんな指導をしているのですか。」と,ものすごい剣幕です。そこで,次のようにお話ししました。

「S君は100点しか取らない本当の天才だと思います。でも,今のように人を馬鹿だと軽蔑し,自分を天才だと自慢する姿はあり得ません。現に友達はいませんよ。だから,余計に友達を馬鹿にするんですよ。家庭訪問の時,お母さんは『うちの子はこれで良い。』と言われましたが,人間としてこれで良いのですか? こんな医者が生まれて良いのですか? S君の成績は,すぐに戻ります。でも,ここでS君に人の気持ちをわかる人になってもらおうとやっています。もう少し様子を見てください。」 

 お母さんは「わかりました。大丈夫なんですね。責任を取ってもらいますよ。」と言いながら帰って行かれました。

 S君に,「最近の成績で,どう思う?!」と聞くと,「俺は先生が言うように天才じゃなかった。だめなやつだった。70点とったときに友達がおまえも70点か!」と嬉しそうに言ってきました。あの顔は忘れられないけれど,(いつも俺はああいう顔をして友達に言っていたんだなあ。)と思いました。」と応える。そこで,「実は先生はS君は,今でも天才だと思っているよ。だって,先生でも1年生から4年生まで全て100点をとるなんてことしたことないもん。だから,S君は天才だよ。」それに反応して,「でも,先生は俺を天才じゃないと言っていたじゃないか。」「それは,人を馬鹿にするような言葉を言う人は天才じゃないと言っていただけだよ。今のS君は,友達を馬鹿にするということはこんなひどいことをしていたんだとわかったでしょ。だったら,すぐ元の100点をとる優しい天才に戻るよ。」と言うと明るい表情で帰って行きました。

 なんと言葉の通り,次からテストは全て100点に戻りました。また,毎年,学級委員に立候補してもだれも支持してくれなかったのが,5年の後半はほとんどの子がS君を支持し,見事大役を果たしました。
 お母さんは,我が子が優しい対応ができるようになったことは認めながらも70点にまで下がったことを快く思ってみえませんでした。でも,3月の担任が終わるときに,「おかげさまで,医者として痛みのわかる人になれると思います。」との言葉をいただきました。今,S君が医者になっているかはわかりませんが,立派な大人でバリバリやっていることは間違いないと思います。
 この例からもわかることは,「人を馬鹿にして成り立つものはない」ということです。

90. 我が子は自分のよさを言えますか?

2019.04.23 22:27|具体的な家庭教育例
我が子は自分のよさをいくつ言えますか?

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 我が子は自分のよさをいくつ言うことができるでしょうか? もし,言えなかったらどうして言えないのかの原因も考えてみましょう! 
 まず,我が子に「あなたは,自分の良いところを3つは言える?!」と聞いてみてください。どのような反応があると思われますか? もし,スラスラと自分のよさを親が聞いても「なるほど,その通りだ。よく自分を知っている。」と思えたなら,今までの家庭教育はしっかりしたものだったと,喜んでください。1つでも言えたら安心ですね。
 高学年ならば,少し理由をはっきりさせながら「できていること」を次のように話してくれれば最高です。
「ぼくは,慎重だからうっかりということは絶対にない。」
「私は,決めたことはちゃんとやるようにしているからお母さん達にも注意をされない。」
「ぼくは,明るいから周りの子をいつも楽しい雰囲気にしている。」
「ぼくは,間違ったことが嫌いだから,おかしいことはおかしいと堂々と言っている。」
「私は,花や植物など大切に世話することが得意です。」
「私は,友達が困っていたら『どうしたの。』と常に声がけをして,解決できるようにしている。」
 低学年なら理由はともかく,「できていること」をよさとして話してくれます。 
「ぼくは毎日,宿題ができる。」
「私は,お手伝いを毎日している。」
「私は,元気に運動できる。」
「ぼくは,ゲームを30分でやめる。」
「私は,給食を残さない。」
「ぼくは,道草をせずに帰っている。」

 でも,これらのように言うことができれば良いのですが,言えないのならどうして言えないのでしょうか? 
原因1 今まで自分のよさを意識させたことがなかった。(自覚化をさせてこなかった)
原因2 親を含めて周りが,良さについて話題にして来なかった。(認識になかった)
原因3 その子に良さがあるのに,無いと思っていた。(無いと思っていた)

 では,どのように本来だれもがもっているその子の良さを引き出すか(発揮させるか)の手立てを考えてみましょう!

手立て1 (我が子には必ず良さがある。)と親が強く思い,見方を変えて引き出す。 
 だれでも良さはあります。妹に優しく接し,遊んでくれているなら(○○ちゃんは優しい子だ。)とわかります。でも,良さなのか悪さなのかわからないようなときに良さと認めたら,認識したときから良さとして通っていきます。例えば,
 漢字練習をしているところを見ると,何度も同じ漢字を書いたり消したりしています。(ああ,どんくさい子。何回も書かないで丁寧にさっと書きなさいよ。)と思うのか,(ああ,この子は丁寧な仕事をする子なんだ。慎重に字を書いている。素晴らしい。)と思うかです。
 同じことをしていても見る側によって評価が変わります。前者は「のろまでどんくさいだめな子」となり,後者は「慎重な丁寧に仕事をする子」となります。そこで,後者の姿を評価し「あなたは,とても丁寧に漢字練習をしているのね。字の形がうまく整わないと気にくわないのね。素晴らしいよ。これからも頑張ってやろうね。」と,声かけをした段階から我が子の心には「私は丁寧で慎重な学習をする子なんだ。」という意識ができることになります。その上で,「さらに欲を言うと,もう少し早く進めると最高だよ。丁寧に早くできるようにしていこうか。」と言えば,そのように努力します。

手立て2 家族が子どもの良さを話題にし,そのことが嬉しいという雰囲気を作る。 
 家族が喜んでくれ,自分も認められるなら願ってもないことです。(子どもの5つの願い)
「あきらは,なに,字も丁寧になってきたのか。さすがはお父さんの子だ。」
「るりは,今年は友達がいっぱいできたんだって,お母さんにはできなかったことができているのね。うらやましいわ。」
「今年は,たけるちゃんは帰ったらすぐ宿題を済ませているのよ。お祖母ちゃんびっくりだわ。」
 このように,家族の話題の主人公に毎日なっていけたら,学校でどんどん頑張れますね。

手立て3 めだった良さがなかったら,創る中で自己の素晴らしさに気づかせ本物にする。 
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 悪いことばかりが目だって,なかなか良さが見つからなかったら創るのです。
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整頓がうまくできなかったら,「お母さんが机の中の整頓の仕方を教えてあげるからやってみようか。」等と,家にある小箱や100均で買ってきた整理用のトレー・小ケースなどを用意し,だれでも簡単に整頓ができるように実際に一緒に整頓場所・位置を作り上げるのです。そして,感想を聞くのです。「どう,机を開けての感想?」,「とってもきれい,これならぼくでもできる。」それを1週間ほど見届け,お父さんなどに「敬志さんは,机の中の整頓きれいにできるようになったわよ。これで,『敬志さんの良いところは何かと聞かれたら,机の中の整理ができることです。』と言えるわね。」といった形で,既成事実化してしまうのです。そうすれば,やるしかないし実際にできるようになります。
 その他にも創ることが比較的できやすいこととしては,次のようなことがあります。
①茶碗洗いなどのお手伝いができる。
②手洗い・うがいが毎日できる。
③頼まれた仕事は「はい,にこ,ポン」とできる。
④嫌いなものでも少しはちゃんと食べられる。
⑤9時までには早寝ができる。
⑥本読みは毎日続けられる。 etc
 このように,初めは親の働きかけであっても,途中からは「わたしはできる」という意識を我が子自身がもてるようになるからできるのです。  
 我が子が,「私の良いところは,5つあります。それは1つには○○です。2つめは○○です。3つめは・・・,4つめは・・・・,5つめは○○です。これらのことは自信をもって今言えることです。」等と堂々と周りの人に言えたならば,なんと素敵なことでしょう。そんな我が子は将来に向かって自信をもって学校生活を送っているはずです。

89. 親の愛は,子どもの数に反比例!?

2019.04.22 23:00|具体的な家庭教育例
親の愛は,子どもの数に反比例!?

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 現在はいろいろな家庭の事情で,兄弟姉妹が3人,4人と多くいる家庭は少なくなってきました。でも,2人といった家庭は多くあります。兄弟姉妹が多いことは経済状態が許せば子ども達の人格形成のためにもとても良いことです。
 でも,当事者の子どもにとってはどうでしょうか? 
 一人っ子に「兄弟姉妹がほしい。」と聞くと,「ええ,妹がほしいです。」といったように上の子や下の子がほしいという意見があると思うと,「2人,3人となると,お母さんも取られちゃうから独りがよい。」という子もいます。 
 では,兄弟姉妹が多い子はどう思っているのでしょうか? 「兄弟姉妹がいると,嬉しい!?」と聞くと,「弟が『お姉ちゃん,お姉ちゃん。』と言ってきてとっても可愛いです。」というように肯定派と,「独りっ子だったらもっといろいろなものを買ってもらえるし,兄弟げんかもしなくて済むから一人がよいです。」とマジ顔で応える子もいます。
 同じように兄弟があるのに,この違いはどうして生まれてくるのでしょうか? そこのところを考えてみましょう!

 独りっ子で育っていた子が突然,「あなたはお兄(姉)ちゃんになるのよ。」と言われ,今までお父さんお母さんの愛を独り占めした幸せな生活が,ある日突然,主役が変わったように下の妹(弟)にばかり視線が行っているように感じる子がいます。口では「お兄(姉)ちゃんだから妹(弟)を大切にしてね。お願いね。」と言いながら明らかに下ばかりが大切にされているように思われて仕方がないのです。 
 この点を配慮した家庭では,下の子は小さいしお乳をあげたりしなければならないので,お母さんが主に担当し,お兄ちゃんはお父さんが担当するという分担をして上の子を寂しくさせないように配慮する素晴らしい家庭もありました。(この方法が全てだというわけではありません。)
でも,幼い子にとって父と母では(どうしてもお母さんの方がいいなあ。)という気落ちも残ります。
 2番目の子が主役として安心していると,今度は3人目の弟(妹)が生まれました。今度は2番目の子が3番目の子の登場によって立場が危うくなります。そして,3人なので父母が分担して対応してくれたりはできなくなりました。長男はさらに心配になってきます。そこで,下の二人にちょっかいを出します。そうすると,「あなたはお兄ちゃんだから下の子を大切にしてくれなきゃだめじゃない。お母さんの大変さもわかってよ。」と言われます。でも,この子にとってお母さんの大変さなんてわかりません。そんなとき長男には次のような行動が出てきます。

姿1 独りでじっと孤独にブロックなどで遊ぶ。
姿2 下の子を攻撃して,自分がここにいる,自分を注目してとアピールする。
姿3 お兄さんらしくよい子の姿を努力し,自分を大切にしてもらおうとする。

 どの姿もとてもいじらしく必死に自分の存在を訴えています。
子どもから言うと,ある日突然,ライバルが1人,2人と出てきて,お母さん,お父さんの取り合いになった。さあ,どう戦うかという心理状態になります。
 でも,ここで我が子達に親として教えなければならないことがあります。それは,子どもが1人から2人に,3人にとなると,親の愛情は1/2,1/3と減っていくものではなく,どの子にも変わらず100%の愛情があるよということです。
 我が子達に兄弟姉妹が多くても,1人と変わらずに十分愛しているよということを感じさせ,(愛情いっぱいに育ててもらっているんだ。)という意識にさせるための手立てを紹介します。

手立て1 「1人でも2人でも,3人になってもお母さんやお父さんのあなたたちを大切に思う気持ちは,一人一人変わらず同じである。」ことを機会あるごとに語る。
 愛情は2人になったら半分になる。3人になったら1/3になるといったそんな減ったりするものじゃなく,一人一人を一生懸命愛しているのだということを態度でも示していきます。

手立て2 上の子からの順序を大切にし,上の子という意識をもたせるとともにそうした待遇も大切にする。
 お菓子を配るときなどに,8歳でも6歳でも4歳同じお菓子の量だったり,早い者勝ちにするといったことはせず,まずは8歳の子に4つ,次は6歳の子に3つ,次は4歳の子に2つなどと体や量を考えながら年功序列に渡していきます。そこに,(ああ,お兄ちゃんとして大切にされているなあ。妹たちを大切にしなければ!)といった気持ちが生まれてきます。6歳の子は(私も8歳になったらあれだけもらえるかな。弟はお利口して私の次の番を待っているなあ。可愛いから大事にしてやろ。)といった気持ちが芽生えてきます。一番上の子が大きくなれば,この子におかし配りを任せてもしっかりと仕切ってやってくれますし,下の子は上の子の言うことを聞くものだと学習します。

手立て3 兄弟姉妹の誰かをほめるときは,必ず「も」をつける。 
 兄弟姉妹の誰かがほめられると,自分もほめてもらいたい。これは子どもの5つの願いの1つでした。(詳しくは「3. 子どもへの愛情のかけかたは?」参照)ほめられることがないと,逆に貶してでも自分を引き立てようとしたくなるものです。そこで,「も」をつけてほめるのです。 優しい姿があきおさんにあったら,「あきおさん,優しい子だね。」と言えば,(「も」と言うことは私も優しいと思っているんだな。)と思えます。「あきおさん,優しい子だね。」と言えば,他の子は優しくない子ということになります。「みちこさん,お手伝いをよくしてくれるね。」「お姉ちゃんさっと行動ができるね。」「とし君寝る時間にさって行けるね。」
 このように「ね」を有効的に使うと,みんながその言葉が嬉しくて良い行動が広がります。

手立て4 スキンシップなど親子のふれあいを大切にする。
 お母さんは子どもが多ければ多いほど,気が狂うくらいに忙しいと思います。
でも,小学校の時期に,特に,3年生以下の子にはスキンシップを大切にしていただきたいのです。
「テストこの前より5点も上がったの。」と言っては抱きしめる。或いは頭をなでなでしてあげる。「今日学校で,そんな楽しいことあったの。」と言っては抱きしめる。或いはgood!のサインをする。家族で公園などに行ったら手をつないだり,おんぶをしたりといろいろスキンシップはできます。
 高学年になると,スキンシップを本当はしたいのだけれど,かっこ悪くてためらう傾向が出てきます。そんなときにはアイコンタクトでじっと目を見つめてにっこりする。或いはよっしゃと両手で拳を握る等家庭ごとに工夫はできると思います。

手立て5 一人一人の頑張りをよく見ていて,頑張り賞をみんなで祝う。
「今日はお姉さんが○○で,先生にほめられたからお姉さんの好きなカレーにしました。みんなで拍手!!」とか
「すみおくんが,今日はなんと100点取ってきました。みんなも嬉しいと思うから,クッキーを焼いてしまいました。」
「京子ちゃんは,学級で一番掃除を頑張るんだって,我が家の代表でほめられたね。ジュースで乾杯。」
「わたるさんは,50m走でクラスで3位になったよ。今日デザートのイチゴを1つ増やしました。」等々,
 今日,本当はカレーを作る予定だったかもしれないけれど,そういう風に言われると,(また,頑張っちゃおうかな。)と思えます。そして,家族で喜ぶことで,ライバルではなく「情を共有する」家族になっていくのです。

手立て6 一人一人の子と話す時間を短くてもよいので,平等に必ず取る。
 好きな人には良いことでも悪いことでも聞いてほしいものです。だからこそ,極端な話一人2分でも良いから話させ聞いてあげるのです。それを楽しげに聞いてほしいのです。
 一人が話していると,自分も聞いてほしいという気持ちで割り込んでくる子がいるかもしれません。そんなときにはルールとして今はお姉ちゃんの時間と言い切り,割り込みをさせないことも重要です。また,時として失敗してしまったりいじめにあって苦しさを聞いてほしかったりするときは,例外となります。

手立て7 小さい子の世話をするのは,だれもがしてもらっていることで,温かく見守るように教える。 
 小さな弟や妹がおむつを替えてもらったりお乳をもらったりするところを見ると,自分はかまってもらっていないような気持ちになるが,これは,お父さんお母さんの子が我が家に来たときには「だれにもこうしてお世話をしてきたのだよ。」ということを教えなければなりません。そして,「おむつをつけてもらったりお乳をもらったりしていないのは大きくなったことで素晴らしいことなんだよ。」と(そんなことをされない今の自分ががすごいんだ。)という意識をもたせます。

手立て8 お母さんやお父さんを助けてくれるそういう子が大きくて立派な子だと教える。
 「お母さんやお父さんは仕事をしていてとても忙しい。でも,家庭で楽しく過ごしたい。だから,お手伝いや下の子の世話をしてくれたりするとむちゃくちゃ嬉しい。そんなとき,本当にこの子がいてくれて嬉しいなあと思えるよ。そんな家族を支えてくれるお姉ちゃんやお兄ちゃんになってね。」
 このように期待をかけられると,それに応えようとするのが中学年,高学年,中学生です。

(子どもの人数が増えても,一人一人に対する親の愛情は変わらずいっぱいだよ。)と伝えていく方法をいくつか紹介しました。これらのいずれかでも取り組んでみてください。そうした温かい家庭で育った子は,今度は自分が家庭を持ったときには,同じように温かい家庭を作ってくれます。
プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

家庭教育法について情報発信中

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