489. 早生まれの子は,小学校1年生の時は特に配慮がいるのです。

2020.05.26 19:00|具体的な家庭教育例
 我が子がもし早生まれの子ならば,小学校1年生・2年生の時は十分な配慮がいるのです。
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 1年生の担任になると,次のような子がクラスにいます。

何をするにものんびりしている。
勉強では,理解するまでが人より少し時間がかかる。
自分のペースで学習などを行う。周りの子をあまり意識しない。



(どうしてこの子は,他の子と違うのだろうか。)
と思い調べてみると,多くの子は2月・3月生まれの子が多いのです。
(やっぱり,早生まれの子か。)
と1・2年生の担任をしていたときは,よく思ったものです。
 早生まれの子の全部が全部そうだということではないのですが,確かにこうした姿の子が多いのです。


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Q1 どうして,2月・3月生まれの早生まれの子には,こうした姿が見られるのでしょうか?
 理由は簡単です。4月・5月生まれの子と,2月・3月生まれの子とでは,生活経験が1年ほど違うのです。
 分りやすく言えば,2年生の中に1年生が入って同じ活動をするということなのです。差があって当たり前と言えば,当たり前なのです。
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Q2 どうして,2月・3月生まれの早生まれの子,全員がこうした姿ではないのでしょうか?
 2月・3月生まれの子でも実に活発に,さっさとやりきってしまう子がいます。こうした子は,上に姉や兄がいてきょうだいの中で,もまれている子です。
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 生きていくためには,ボーと生きてはいられません。自分の位置を家族の中で確保するためには,いろいろと学んでいくことが多いのです。


Q3 では,早生まれの子には,どうしたらよいのでしょうか? どうすれば,早生まれの子ではない子と同じようにできるのでしょうか?
(早生まれでなくても,同じ姿があれば,次の手立てを試みてください。)


親の対応の仕方を次のようにすると,時間の遅れを取り戻すだけでなく,それ以上の力を発揮します。

手立て(1) 我が子の力を信じ,親自身が自分に我が子は大丈夫と言い聞かせます。
(我が子は,ちゃんとできる子だから心配ない。)
この意識に立って我が子を見ていくことが重要です。親がそうした見方をしていると,その思いを我が子も感じるのです。逆に親が,
(大丈夫かなあ。心配だわ。)
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と思えば,我が子は一層その雰囲気の中で,力を出し切れなくなってしまいます。


手立て(2) 親は,むやみに慌てることもなく,我が子のペースに合わせて宿題や自学に付き合うのです。
 肉体的に,精神的に幼さがあって当然です。他の子と比べる見方をすれば,幼さが目立ち気になります。だからこそ,決してしてはいけないことがあります。

「さあ,早くやるのよ。さっさとやりなさい。どうしてできないの?」
などと,我が子を焦らせ,勉強に苦手意識をもたせてはいけないのです。

 我が子のペースに合わせ,できるようになったら,
「これなんか,今のあなたの力ならもっと速くできるわよ。」
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などと,本人のやる気で徐々に早く確実にできるようにもっていくのです。


手立て(3) 親の温かい励ましの言葉で,努力をし続けます。
「あなたのお兄ちゃんも,ひき算でつまずいて苦労したけれど,今では算数も数学も大好きよ。だから,あなたも大丈夫。」

「お母さんは,小さい頃は漢字は楽しかったけれど,算数は宿題くらいしかしなかったの。でも,1回,100点を採ってから嬉しくて,がぜんやる気になって頑張ったわ。あなたもお母さんの子,もうすぐ火が付くわよ。」
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などと励ますことが大事なのです。


手立て(4) 早生まれの子は,早く生れた分,それだけ早く先に進む子なんだと,常に語り続ける。
「早生まれの子は,みんなより早く生まれて来たのだから,やる気になったらさらにみんなより速くできるようになるんだよ。楽しみだね。」
 このように,一見デメリットと一般的に言われることを逆にメリットだと我が子に言い続けるのです。その成果を実感しているお母さんの紹介です。

 あるお母さんのこんな感想です。
「小学校低学年では,なかなか時間がかかったのですが,学校の学習内容をじっくり繰り返し繰り返し取り組ませてきました。いつになったらさっと取り組み答えを出す子になるのだろうと思ったこともありました。でも,
『早生まれの子は,みんなより早く生まれて来たのだから,やる気になったらみんなよりもっと速くできるようになるんだよ。』
と言い続けました。

 3年生が終わるころになると,急に算数ができるようになって,今では算数が一番大好きな得意な科目となっています。
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 うちの子と基礎的な学習をひたすら取り組んでいるときは,基礎的な学習が遠回りに見えて見えて仕方がありませんでした。でも,1番の近道は基本的な学習内容をしっかり身に着けさせることなんだと,うちの子を見ていて今,実感しています。」


 親にしてみれば,
(難しい問題をどんどん解いて欲しい。)
(学年内容をどんどん先取りしてやって欲しい。)
などと思って当然です。

(私の子は,どうしてこんな簡単な問題を解けない子なんだろう。)
と焦ってしまうこともあります。でも,
(1年間の肉体的・精神的な準備は遅れたのだけれど,必ず,取り戻せる。いや,先に行く子なんだ。)
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と思うことができれば,余裕が生れ楽しみが増えるのです。

 我が子は,ちゃんと自分の力を出し切り伸びる能力をもって生まれてきています。目先の姿のとらわれることなく,3年生,4年生くらいで今まで優秀だった子をぐっと抜いていく我が子を見ることも実に嬉しいものですよ。私の経験上から,早生まれの子は親が信じて温かく応援すれば,どの子も頼もしい子に成長しています。

488. 発表,算数が好きになるための算数学習法!(6)

2020.05.25 19:00|具体的な家庭教育例
 算数学習で大切なことは,我が子の実態に応じてフィードバックすることが必要なのです。
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 フィードバックとは,教育においては「行動や反応の結果を参考にして修正し,より適切なものにしていく」という意味で,子ども達の取り組み結果から理解していない場合は,原因を探り,その原因を取り除くところから進めることです。

 つまり,算数は系統的な学習ですから,途中で分らないところがあると,前に進むことができないのです。前に進んでいるように見えても不安定な歩みとなっているのです。子ども本人は,苦痛を感じながら毎日を過ごしているのです。

 そうした場合には,どの学年のどの単元から分らなくなっているのか,どこまでは分るのかをはっきりさせることが必要なのです。学習理解内容に応じたバックをするのです。
 そして,理解できていないことを理解できるまで掘り下げ,そこから基礎造りをし直すのです。

 これをコンクリート造りのマンションの建物に例えるのならば,
土台である基礎部分の土を何メートルも掘り下げるために穴を掘り,鉄筋などを入れて底の部分の土台を固めます。
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そこに今度は柱となるように鉄筋を何本か立て周りを囲って柱の形を作り,コンクリートを流し込みます。これで立派な柱が出来上がります。
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こうして2F,3F,4F,5F,6F,7Fと積み上げられていくのです。

 でも,②の段階で,鉄筋が15本入れられなければならないところを13本しか入れられなかったとします。見かけは何ら変わりません。でも,地震が起きたときに耐震性が確保できなく,崩れ落ちることになります。途中で,しっかりと工事をしなかったことが結果として不良マンションを造ることになります。
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 地震に当たるのが,その子の学業のつまずき,人生のつまずきに当たるのです。工事では,1度造りかけると,やり直しはできません。全部はじめからのやり直しです。
 でも,勉強においては,つまずいたところまで戻ればよいのです。フィードバックすればよいのです。


 具体的に,よく起こっている例で説明をします。
(1)算数で足し算を勉強します。
 一位数といって一桁の数字を足すとします。「1+3=4」というようにです。
 次には,一位数と二位数を足すとします。
「5+13=18」これは,繰り上がりがないので,あまり抵抗はないのですが,
「6+18」などとなると,繰り上がりがクリアできないと足し算はその後つまずいてしまいます。
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(2)引き算について勉強します。
 引き算においても一位数の大きな数から一位数の小さな数を引くのには抵抗なくできます。
「8-4=4」のようにです。でも,二位数から一位数の大きな数を引くときに分らなくなる子がいます。
「13-8」のようです。繰り下げをしっかりと理解できないとつまずくのです。
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(3)九九の勉強をします。
 九九をしっかりと覚えていないために,つまずく子がいるのです。
2年生での九九をしっかりと覚えていないために,例えば「小数のかけ算」や「小数の割り算」,「割合の数」などが解けないのです。

「0.8×0.29」となると,筆算の計算式までは書けても,九九ができないのでとけないのです。
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「78÷0.8」と,文章題から式が書けても解けないのです。

「10時の番組を見ている家庭に調査をしました。調査をした家庭は,900件です。そのうち,Aの番組を見ていた家庭は,148件でした。10時の時点で,Aの番組を見ていた家庭の割合(視聴率)はどれくらいになるでしょうか?」
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などといった問題が出れば,
【「百分率」=「比べられる量」÷「もとにする量」×100%】 という公式を覚えていて
「148÷900×100」という式までは書けても,答えを割り算ができないためにできないのです。結局,九九がしっかりと覚えられていないことから来る悲劇です。

(式が書けても答えが出せないなんて,情けないぼくだなあ。)
こんな思いを高学年になってさせてはいけないのです。

 中学校に来た子で,数学が苦手な子の多くはこうした子です。
「中1で九九から取り組むの?」
「中1で,小数のかけ算や割り算から始めるの?」
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などと思われる方があると思いますが,これも現実なのです。


 我が子が算数を好きになるためには,我が子の実態に応じてフィードバックすることが必要なのです。少しでも不安なところがあれば,今,対応しなければ,建ってしまったマンションは修正がきかないのです。

「うちの子は,今は大丈夫だわ。」
というお母さんは,
「勉強であなたはしっかりと頑張っているので,困ることはないと思うわ。でも,もし困ったことができたらすぐ言うのよ。」
などと,
(お母さんは,私を気にかけていてくれる。困ったときは相談しよう。)
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と我が子が思えるような心のつながりを大切にし続けたいものです。

487. 「手づくり絵本」で,子どもの作文力・絵の表現力を伸ばすのです!

2020.05.24 19:00|具体的な家庭教育例

 我が子の作文力・絵の表現力を「手づくり絵本」作りを通して伸ばしてみてはどうですか?

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 岐阜女子大学「手づくり絵本コンクール」(中学生以上)とか,おおしま「手づくり絵本コンクール」 (園児の部,小学生の部,中高生の部) など,手作り絵本の募集要項が発表されています。こんなところに我が子の作品を出品してみてはどうでしょうか?

 子ども達には,今まで生活してきて,いろいろな思い出があります。

友達との楽しい思い出,
家族の中で起こった事件や思い出,
空想したこと,
自分の好きな書物からヒントを得て心に描いていること


などなどさまざまです。そんな内容を文や絵で表現してみることも楽しいものです。

 私が中学校の国語科を担当していたときに,短い物語を作らせたことがあります。そのことが楽しくて,長文の小説を書いた子がいました。読み応えがありました。挿絵もよく描けていてびっくりしたほどです。それはどこかに応募するといったことは,本人が望みませんでしたが,チャレンジしたことをとてもよい思い出としていました。



そんな楽しい体験を我が子にさせてみてはどうでしょうか? 
 学生以上,18歳以下の部,家族での部など,いろいろな作品募集があります。まだ,作品募集をアップしていない所もありますが,「手作り絵本コンクール」と入力すると,昨年度までの内容,今年度分などがいっぱい出てきます。挑戦してみて欲しいと思います。

 ここでは,具体的に「手作り絵本」の大まかな作り方を紹介します。
詳しく作り方を紹介しているブログ等もあります。図入りなどの物もありますので,参考にしてみてください。
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【楽しい手作り絵本の作り方】
(1)楽しい手作り絵本に必要な材料を集めます。
【手作り絵本の下書きに必要な材料】
手作り絵本の下書きに必要な材料は,次の物です。

 □紙
 □ペン
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 □ストーリー(話)の題材



手作り絵本の清書に必要な材料は,次の物です。

 □ボールペンや筆ペン
 □清書用の絵本(絵本作り横型)
 □色鉛筆やクレヨン,絵の具等の色彩をする物



(2)絵本の作り方に必要なストーリーを考えます。
【手作り絵本のストーリーの作り方】
 絵本のストーリーの題材は,自分の経験からでも,テレビやビデオの内容からでも聞いた話でもいろいろなところから取り入れることができます。
 ただ,絵本は幼児を読者としているので,きょうだいの幼児や公園で見る幼児などの観察をよくしてみることが重要ですね。
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【内容を考える上での留意事項】

幼児対象なので,簡単ということは必要条件ですが,単純すぎて面白みがないものは考えものです。でも,単純であっても繰り返しの面白さや挿絵の面白さで興味を引く物もあります。

幼児にとって悪い影響のあるストーリーは,控えなければなりません。恐怖心を与えたりするものは感心しません。

就寝前や早朝時間に,短い時間で読める程度の物がよいです。

絵本なので,幼児が受け入れやすい内容が重要です。

絵本を読んだことで,何らかの知識が1つ知恵袋に入ると最高ですね。でも,面白いだけといった物も大切です。

少しでも幼児の想像が,広がる内容になるとよいですね。 

挿絵のイラストということでは,既成の童話などを参考にするよいです。ただしパクりやいかにも類似している物は避けなければいけません。著作権があります。


 幼児の目を引く親しみがもてる絵とストーリーとで,幼児を絵本の世界へ引き込みましょう。


(3)絵本の作り方に必要な絵本の絵の下書きを書きます。
 先ず初めは,紙に主人公となるキャラクターを描いていきます。

 この際に留意することは,次の点です。

【絵本の下絵を描くときの留意事項】
大きさをしっかりと決め,絵や文字の位置もしっかりと決めて描きます。

1枚の絵は,1場面を描くようにします。

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ストーリーの文字のフォントと絵の内容,さらにはタイトルがきちんとそろっているかを確認します。フォントだけでなく,字体も堅いイメージや柔らかいイメージなど考え,パソコンで打ち出して真似して書くことも重要です。

絵とか文字の配置が,自分のイメージにぴったりと合っているかを確認します。

ストーリーの流れは,わかりやすく違和感がないかを確認します。
 これらがしっかりとできたら,清書用の本に移ります。


(4)絵本の作り方に必要な絵本の絵の下書きを本に書いていきます。
実際に, 清書用の本に本番書きをしていくのです。

【本に描くときの作り方の留意点】 
 清書用の本に絵本を書いていくことが本描きです。本には折り目があるので描きにくく感じます。下書きのように気をつけながら描いていきます。

まず,絵を描いていきます。
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文字の大きさを下書きに基づいて確認します。

定規を当てて,文字のバランスを整える線を鉛筆で書いてから実際に文字を書き込むのです。

ペンは,筆ペンなど黒インキにします。仕上にえんぴつ線を消しゴムで消すことを忘れないようにします。



 絵本の中身の作り方の次は,絵本の仕上げ作業です。

(5)絵本の作り方に必要な絵本の仕上げ作業をしていきます。
 絵本の仕上げ作業で,必要な材料は次の物です。絵と文字だけを描き込んでいく方法の場合は,これらの物は全部は必要がありません。貼ったり飛び出させたりしたい場合には特に必要となります。
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【手作り絵本の仕上作業に必要な材料】
 □厚手の色画用紙
 □ボール紙
 □ケント紙
 □紙クロス
 □のり
 □カバーフィルム
 □定着スプレー

 次に,手作り絵本の仕上げ作業に必要な道具は,次の物です。
【手作り絵本の仕上作業に必要な道具】
 □カッターナイフ
 □はさみ
 □定規
 □のり
 □新聞紙(敷物として)
 □作業台としてのテーブル


(6)絵本の作り方に必要な表表紙や裏表紙,背表紙を記入する。
 最後に絵本の表表紙や裏表紙,背表紙を記入します。絵本の表表紙には,本の「タイトル」と「作者名」を記入します。絵本の中の主人公のキャラクターを表表紙に気を引く姿で入れてみるとよいですね。。
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 大まかな手作り絵本の説明となりましたが,まずは作ってみることです。1度作ると,次はもっと楽に作れます。
 いろいろな体験を通して,我が子の能力を一層伸ばしていきましょう。また,一緒に関わることで,「情の共有」ともなります。忘れられない思い出です。

486. 発表,算数が好きになるための算数学習法!(5)

2020.05.23 19:00|具体的な家庭教育例

 算数学習を楽しくさせるためには,1年生が特に大切です。
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 小学1年生の時が,特に入学当初の数ヶ月が,一生算数を好きにさせるか,嫌いにさせるかの分かれ道です。(嫌いにさせて戻すのには,大変な労力がいります。)

 小学校で学習する算数は,あらゆる計算の基礎であるとともに,計算能力は日常生活において欠かせないものとなっています。もし,1年生の時に嫌いにさせてしまうと,基礎が築かれないので,小学校で算数につまずいてしまい,これから先の勉強に苦労することになるのです。

 中学校・高校へと進むにつれて,行き詰まってしまい,ついには高校2年生くらいで学校を放り出してしまう子もいます。そんなことにならないためにも,この小学校1年生を本当に大切にしましょう。具体的に大切な理由を考えてみましょう!


【どうして,1年生が特に大切なの?】
 1年生での学習は,「読む」「書く」「計算をする」ことから始まります。数字の読み書き,ひらがなの読み書きから学習が出発します。学習内容そのものは,とても簡単なのですが,取り組み続けないと身につかないのです。また,忘れてもしまうのです。
 学年が進んで難しい問題を解くためには,基礎的な計算力・思考力がしっかりと身に着けておかなければなりません。


(1)1年生で基礎を身につけることは,意欲となります。
 基礎が分からないと勉強ができない,分からない場面が増えて来ると,勉強そのものが嫌になってしまいます。
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「簡単な学習内容を繰り返す」ことで,「理解ができる」ようになり,「楽しさを味わう」ことを知り,「意欲が出てくる」のです。そのことから「勉強だけでなく,いろいろなことにも積極性が出て来る」,こうなると,算数だけでなく,他の教科の勉強も楽しく感じられるようになって来るのです。


(2)基礎は,毎日の積み重ねで大きな力となります。
 基礎は,難しいものではないのですが,毎日の少しずつの積み重ねが段々と大きな力となっていくのです。小学校1年生では,先ず,落ち着いて学習に臨む習慣作りから始めます。そして,親が
「勉強の時間ですよ。さあ,やりなさい。」
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などと言わなくても,当然のこととして宿題等に臨むことが必要なのです。言われて取り組むのではなく,言われなくても取り組めるような習慣づけが重要なのです。


(3)基礎がしっかりしていないと,「応用問題」が解けないのです。
 基礎は,言わば建物の土台なので,土台がしっかりしていないとその上に立つ建物が安定することはありません。
 つまり,基礎がしっかりしていないと,応用問題が安定した力で解くことができないのです。足し算や引き算ができて,かけ算や割り算へと進みます。その階段を登れないということは,とても応用問題に取り組む所まで行けないのです。基礎は,新しい知識を増やすための土台なのです。
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 では,どのようにして1年生で,基礎を作っていけばよいのでしょうか?

【1年生での基礎作りの方法】
手立て(1) 暗算やひっ算を正確にできるようにします。
 小学生で算数が苦手になる原因は,約束ごと(公式)が覚え切れていず,問題が解けなくてなって嫌になることが多いのです。
 しっかりと覚えていないために,暗算やひっ算などの計算そのものが速くできないので嫌になるのです。
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その結果,テストの点数も思いのほか採れずに,ますます嫌いになってしまうのです。

 小学校の算数は、すらすらと解けることが必要なため,約束ごとを覚えていなかったり解き方に迷ってしまったりするのは,習熟不足です。
小学校でこの基礎ができていなければ,中学・高校と授業の内容が難しくなるにしたがって,理解できなくなってしまうのです。


手立て(2) 日常生活で計算を活用できるようにします。
 買い物にお母さんと行ったときなどに,自分で買った物の金額を合計したりするなど1年生は1年生なりの実態に合った計算を行わせるのです。
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「よく,自分のおやつの合計ができたわね。」
などと,褒めることを多くし日常化を図るのです。お金だけでなく,個数を数えたり合計したり引いたりすることも当然日常化です。
 時計の学習なども,実際に時計を見ながら学習すればわかりやすく理解できたり,毎日繰り返し時計を読むように
「今,何時かな。」
などと聞けば,時計を見ることが習慣となっていくのです。
 小学校の学年に応じたレベルの計算を,日常でも1年生から6年生へと発展させます。


手立て(3) 多くの問題に取り組むことで,習熟して速くできるようにします。 
 子どもの苦手意識は,できないところから生じてきます。多くの問題を解くことで正確にでき,自信につながるのです。
 計算能力を向上させるためには,ドリル学習は欠かせません。学校が購入するドリルの1ページにおいても,易しいものから段々とやりがいのあるものへと段階がつけられています。

 また,ドリルには,そのページの問題をやりきる「めやすの時間」が記されています。
「さあ,何分でできるかな。よーいドン。」
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などと時間を計って時間内にできるようにするのです。1回できたら2回目に挑戦させます。そうすると,さらにタイムがアップします。
「もう1回,やってみる! そうしたらママなんか勝てないくらい速くなるわよ。」
などと,目標をもたせて頑張らせるのです。正確に計算するだけではなく,速く計算できるようになることで計算能力は驚くほどに向上するのです。


手立て(4) 間違いの理由をしっかりと理解し,納得して取り組めるようにします。
 答えの間違いがあったら,その時その場で教えることです。問題に挑戦させた後は,すぐに○付けをして,
「ここのところ,勘違いしているよ。どうしたのかな。あなたらしくないわね。」
「簡単なケアレスミスをここでしているわよ。惜しかったわね。」
などと,どこがどのように間違っているのかとか,なぜ,間違えてしまったのかをしっかり確認させるのです。

 1年生や2年生の時は,特に親がそばにいて一緒に考えて問題を解いていくようにすると,安心して取り組めます。
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 温かい言葉で,間違いを指摘され,理解して取り組むことで,正しい計算方法が身につくことはもちろんですが,愛されているという心の安定からやる気をさらに引き出すことができるのです。


手立て(5) 1年生にあった具体物,半具体物で理解をよりたやすくします。 
 学年の発達段階からして,大人のように抽象的な思考はなかなかできません。身近な物を使ったり,それに近い物を使ったりすることでその場にいると同じように臨場感をもって考えることができるのです。
 お金をつかったりおはじきを使ったりして,操作をしながら考えさせたり数えたりすると,見て理解したり,行って理解したりできるのです。
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手立て(6) ゲーム感覚で遊んで理解させることも有効です。
 誰でも遊びは大好きです。勉強も遊びとしてやっている内に理解できれば最高です。
楽しく学ぶことができるゲームやアプリを取り入れることも有効です。ゲーム感覚で遊んでいるうちに身につくのです。
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 ただ,気をつけたいことは,これだけをするのではなく,普通の学習も行わせていかないと,静かな中での問題に向き合うという面での弱さが出て来ることも考えられます。

 子どもは,基礎をしっかりと身につけることで苦手意識は生ずることはなく,多くの取り組みが楽しくなります。毎日の家庭生活に算数の学習を上手に取り込むことによって,子どもに負担感なく続けられるようにもっていきましょう。
 1年生から我が子の素晴らしい能力を着実に引き出していきましょう。

485. 幼児の頃の興味関心が,その後の学習や生き方に大きく影響を与えるのをご存じですか?

2020.05.22 19:00|具体的な家庭教育例
 幼児の頃の興味関心をいかにつなぎ,発展させるかで学校生活もその後の生き方も大きく変わってくるのです。

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 最近,我が家の隣に家が建ち始めました。先週までは,敷地の土ならしなどがされていましたが,本日から家を建てるための基礎作りが始まりました。普通は,家を建てるときに基礎工事といって,柱の下の部分がしっかりと固定できたり柱が腐食したりしないようにコンクリートで土台造りがされます。地盤沈下や家が傾くことを心配される方は,基礎工事の前に,さらに基礎工事として地面に柱を入れてより強固にする工事をしたりします。

 隣の家もこの工事が始まりました。鉄の大きなパイプをクレーン車でねじ込んで埋めていくのです。
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 そこへ,小さな自転車に乗った幼児(2歳の男の子:3歳に近いと思われます。)とお母さんが通りがかりました。その男の子は,このクレーン車が気になって気になって仕方がありません。工事の様子を真剣に見つめ続けます。一般のお母さんですと,
「さあ,早く行くよ。」
などと促して,その場を立ち去ろうとしますが,そのお母さんは,我が子が見ているのをずっと一緒に見続けていられるのです。
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 我が子が必死で見続けているので,それに付き合ってそのお母さんもじっと見続けていられるのです。
(なんて,素晴らしい方なんだろう。)
と思って,ちょっと声をかけました。

「何歳の子ですか?」
「2歳です。車が大好きで,こんなのを見たら動かなくなるんですよ。」
と,嬉しそうに話してくださいました。

「2歳ですか? 小学校の1年生で『じどう車ずかんをつくろう』という学習をするんですよ。いろいろな車の中から自分が好きな車を選んで,その車の働きを紹介するんです。この子のように,こうして車に興味をもっている子は,何も困らないですよ。」
などとお話をしました。そのお母さんは,

「小学校で,そんな車の勉強をするんですね。」
と言いながら,にこにこと小さな自転車に乗った我が子と家の方に帰って行かれました。 
 このお母さんの素晴らしい点がおわかりですか?



【我が子の気持ちを大切にしたお母さんの素晴らしい点】
(1)我が子の興味関心を理解していらっしゃいます。
「2歳です。車が大好きで,こんなのを見たら動かなくなるんですよ。」
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 2歳の子なのに,車が好きであることを理解していらっしゃるのです。


(2)興味関心があることを伸ばそうとしていらっしゃいます。
 好きならば,その好きなことを楽しませてあげようとしていらっしゃるのです。親からすれば,ちょっと散歩に出かけ,家に帰ろうと思っていらっしゃるはずです。でも,我が子の喜ぶことを優先されているのです。我が子を軸に考えていらっしゃるのです。自分を軸に考えれば,
「早く帰るよ。」
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となります。


(3)我が子と共に楽しもうとされています。
「なんで,そんな工事車なんかに興味があるの? 地面に穴を開けているだけじゃないの?」
といったように,思いがちですが,我が子が興味をなぜもっているのか。私も一緒に味わってみようという「共同体験」をしていらっしゃるのです。
(自分もそのことに触れてみなければ,我が子のことが分らない,それなら一緒に行動しよう。)
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という気持ちがあるのです。


(4)我が子の姿を価値付けしていらっしゃるのです。
「小学校で,車の勉強をするんだって,よかったね。」
 これは,
(あなたがこうしていろいろな車に興味関心をもっていることは,小学校に行ったら役に立つわよ。嬉しいね。楽しみだね。)
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と我が子には伝わったのです。こんなことを言われ,男の子は,一層にっこりとし,その場を後にしました。

 先ほどの1年生での国語の教材「じどう車ずかんをつくろう」(光村図書,地域によっては,この教材は扱われません。)で,いろいろな自動車の役割を紹介する教科書の説明文を理解し,それをまねて自分の気に入った自動車について書く学習です。
 こうした学習をするときに,子どもによって,大きく3つのタイプがあります。

①全く車などに興味をもっていなかったので,何をどう書いたらよいかに戸惑う子,
②今までは車に対して興味はなかったけれど,もともと何らかの物に興味をもっている子であったために,この車学習も興味をもって学習できる子,
③学習以前からすごく車に興味をもっていて,意欲的に取り組める子に別れます。

 

 小学校1・2年生では,生活科という教科があります。
生活科では,「具体的な活動や体験を通して,身近な生活に関わる見方・考え方を生かし,自立し生活を豊かにしていくための資質・能力」の育成を目指しています。
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 この生活科では,活動や体験が前提です。児童が体全体で身近な環境に直接働きかける創造的な行為が行われるようにすることを重視しています。
 その中で,自分自身についての気付きを大切にして,
学習上の自立,
生活上の自立,
精神的な自立
という三つの自立への基礎を養うことを目指しています。生活科は,平成元年学習指導要領での導入以降,「自立への基礎を養う」理念は引き継いでいます。
 この生活科は,学校での学習ですが,この男の子のように幼児から学習,生活,精神的な面で少しずつ自立に向けて,親は対応していく必要があるのです。

 ここで紹介した男の子は,車の紹介の作文は,何ら抵抗なくスラスラと書き上げることができるのです。なぜなら,幼児の時から自分で興味関心をもって観察し,理解をしており,
(このクレーンの伸びるの面白いなあ。どうすると,伸びるのかなあ。)
(あのおじさん,運転するの難しくないのかなあ。)
(ぼくもあんなクレーンを操作する人になりたいなあ。)
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などと自分の思いを生活の中で,自然ともつことをしているからなのです。この力が,今後の学習や生き方につながっていくのです。

 我が子の能力は,親が見いだし認め褒めることでどんどん引き出し進化させることができるのです。このお母さんのように,我が子を温かく見守りながらサポートをし続けたいものですね。
プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

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