472. さあ,子どもに「限りなく伸びる可能的素質」を自覚させましょう!

2020.05.09 19:00|学校教育との連携
 我が子にもし,素質が見当たらないとしたら,このように我が子を見つめてください!
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 小学校4年生のクラスを担任したときに,こんな男の子がいました。

本を文章として読めず,文節ごとにとつとつと読む。そのために文章の意味を理解できないのです。
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漢字もほとんど覚えていなく,漢字が出て来ると読みが止まって,友達が
「どりょく(努力)。」
などと,その読みをその都度,
(何でそんな字,読めんのだ。)
と言わんばかりに,教えるのです。
授業中はただ,黙って座っているだけです。こういう子をその当時,「お客様」と呼んでいました。
子ども達は,この子を
「清(仮名)の馬鹿。」
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と軽蔑し,遊びにも入れてあげていませんでした。



 この清さんをなんとかみんなに認めさせ,仲のよいクラスにしたいと考えました。3年間こんな状態が続いたのですから,クラスの子ども達にとっては既成の事実となってしまっていたのです。もちろん,クラス替えはあるものの,子ども達の中では知れ渡っているのです。


【清さん,「伸びる可能的素質の自覚」大作戦】
 清さんをどのようにして,
(自分は,できるんだ。自分にも優れたところがあるんだ。)
と自覚させられるかを考えました。

手立て(1) クラスの子に他人を馬鹿にすることの愚かさを強く教える。
 他の子に馬鹿にされることによって,潜在意識に一層,
(自分は,ダメな子なんだ。)
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という意識が積み重ねられていきます。その結果,ますますできない姿となって現れてきます。だから,止めさせないといけないのです。人権問題です。

「人を馬鹿にする者は,実は馬鹿にする者自身が馬鹿なんだ。愚か者なんだ。よく考えてみてくれ。友達を馬鹿にしている者を
『あの子は,立派な子だ。』
と思えるかい。
『情けないやつだ。』
と思えるだろう。また,その馬鹿にしている者が失敗でもすると,みんなは
『罰が当たった。』
とか,思ってはいけないんだけれど,
(もっと苦しめば,よいんだ。)
などと思えてしまうでしょ。悪いことを与えれば,悪いことが与え返されるんだよ。優しくすれば,みんなから優しくされるんだ。クラスで,良いところをどんどん見付け,褒めようじゃないか。」

 こんな話をしました。みんなは真剣に聞いていてくれ,今までを反省しているようでした。


手立て(2) クラスの学級活動の中で,友達を軽視せず,良さを見いだしていこうとする約束づくりをする。
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 子ども達を中心に,

友達を傷つけてしまったことの経験の出し合い(実名は控えさせる)
どうしてそのような気持ちになったか。
傷つけた後の気持ちはどうだったか。
どうされると,自分たちは嬉しいか。
これから,どうしていったらよいか。


などについて,話し合いました。その結果,2つの宣言を決めました。

①人の嫌がることをしない。
②人の良いところを褒め合おう。


 具体的には毎日,帰りの会で紹介し合い,良いことは学級の掲示に残していくことになりました。


手立て(3) 清さん自身が,(自分はできる。)という意識をもつようにする。
 さあ,今度は清さん自身に,
(自分は,やればできる。)
という自覚をもたせる取り組みです。どこか良いところがないかを必死で観察しました。

教室では,ねこのようにおとなしいのですが,運動場に出ると,豹変してとてもすばしっこく,鉄棒もくるくると上手に回っています。
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ブランコをぐんぐん危ないくらいに揺すります。クラスの子がドッジボールに入れてくれないので,一人遊びになっています。
 つまり,運動では仲間に入ると,認められる可能性を見い出しました。

体育のマット運動,跳び箱などちょっとこつを教えると,完璧にきれいにできるのです。みんなの前で褒めると,顔を赤らめて恥ずかしそうでした。今まで褒められたことがなかったようです。きちんと基礎を教えることの大切さを改めて私自身が感じました。
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クラスの子が,オタマジャクシをたくさんとってきました。教室の水槽に入れてそれを飼うことになりました。
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とってきた子が毎日世話をし,水を替えていました。毎日,2匹,4匹,3匹と立て続けに死んでいきます。その子が,
「どうして,オタマジャクシは死んじゃうんだろう。」
とつぶやいていると,清さんが,
「そんなの,死ぬのが当たり前だよ。水ばかり取り替えているからだよ。」
その場にいた私は,清さんに,
「生き物のことをよく知っているね。すごいね。何だったら清さんも一緒に世話をしてあげてよ。」
と言ったら,にっこりしていました。それ以降,オタマジャクシが死ぬことはありませんでした。

今でこそ家庭訪問は,実施するところが少なくなりましたが,昔は必ず実施していました。
「子どもの生活環境を知って,指導することは重要だ,何かあったらすぐ対応するのにも家を知っておくことが重要だ。」
という意味で実施していました。
 今はカーナビやスマホがあってすぐ場所が分るし,連絡もスマホ等ですぐできますが,昔は違ったのです。

 また,子ども達の家が,学校の近くの場合は自転車をわざわざ学校に持ってきて移動手段にしたりしました。こんな状態なので,クラスの子の家など,聞いては聞いては探す。ゼンリンの地図をコピーして持ち歩くといったことが主な手段でした。
 今は安全第一で許されませんが,当時は子どもに頼んで道案内をしてもらうことがありました。
「誰か,このクラスの子の家を大体知っている子はいないかなあ? 家庭訪問は時間が決めてあるので,その場所に時間通りに行かないと迷惑をかけるんだ。」
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 こう言うと,誰も応えてくれません。でも,清さんがおどおどとしながら,
「ぼく,みんなの家を知っています。よく自転車で回っているので,わかると思います。」
と言ってくれました。クラスの子は,
「すげえ。」
とびっくりでした。実際に自転車で先導を4日間してくれました。地図では分りそうな所も実際はよく分らないものです。でも,
「ここだよ。」
と的確に教えてくれたのです。
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宿題をみんなと同じようにやってくることは,強くは求めませんでした。なぜなら,初めは,全く1度もやって来なかったからです。
「今日の宿題のこれだけは,こうしてやればできるから,これだけはやってきてね。」
などと,できるところを少しずつさせながら少しずつみんなに近づけていきました。

 それと同時に,こんな話をしました。
「清さんは,先生はとても頭が良い子だと思っているよ。多分,自分ではダメだと思っていると思うけれど,自分を信じないと力が湧いてこないんだ。昨日の宿題のこの問題,先生がちょっと教えただけで解けたじゃないか。これはすごいことだよ。やればできるんだ。やらないとできないんだ。
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 今までやる気が出なくてやらなかっただけだから,先生が応援するからやる気で頑張るんだ。今まで辛かっただろう。これからもこんな気持ちでいたくないだろう。今だぞ。」

 こんな言葉に,半分信じながら半分そうだろうかという表情で過ごす日が続きました。


手立て(4) クラス全体から清さんの良さを認めてもらえるようにする。
 清さんの変化をクラスの子も見付けて帰りの会に紹介するようになってきました。
「今日,清さんは漢字の練習を3ページもしてきていました。学習係としてチェックしていてびっくりしました。」
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「ドッジボールがとてもうまくなった清さんは,今まで一番だった祐二(仮名)さんに今日ボールを当てていました。どうやったら当てられるか秘訣を聞きました。足を狙うと良いということでした。みんなも祐二さんの足を狙いましょう。」
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 この紹介に祐二さんは,にやっと笑っていました。

 担任である私も,体育でのマット運動などの完璧な姿,オタマジャクシなどの生き物の世話の知識,家庭訪問の時の優れた誰もできない道案内,宿題ができるようになってきたことや授業での参加の状況など,嬉しい姿をその都度,クラスの子に紹介をしてきました。


手立て(5) 家庭との連携で,家でとにかく褒めてもらう。
 クラスの子と担任だけでは,早く成果を出すことが難しいのですが,お母さんが協力してくれれば一層効果があります。清さんのお母さんに,
「清さんの良かった学校での姿を細かくお教えしますから,必ず褒めてあげてください。また,家庭で何か,変化が出てきたら必ず教えてください。」
と約束をし,情報を交換しました。


この清君はどうなってでしょうか?
 「お客さん」として扱われていた子です。でも,学習でも運動でも自信をもつことができたのです。おどおどした姿がなくなっただけでなく,クラスの人気者になれたのです。今回の紹介のように,担任とうまく連携できるとよいのですが,できなくても親が同じように努力することで,必ず,本来の姿を引き出すことができます。

 この子はダメな子と思えるような姿が現在あるとしても,子どもには「限りなく伸びる可能的素質」があるのです。それを見付けてあげるのは親の役割です。この「限りなく伸びる可能的素質」を我が子に自覚できるように努力していきましょう。

467. こうしてお母さんは,「算数ができる子」にしたのです!

2020.05.04 19:00|学校教育との連携
算数ができない子には,できない理由があるのです。
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 2年生に進級した子ども達の中に,算数の時間になると頭痛を訴える女の子がいました。
「先生,頭が痛いので保健室に行ってもよいですか?」
このように,言ってくるのです。
 どうしてだろうと思って,保健室の先生に聞くと
「1年生の時もそうでしたよ。算数が分らないので教室にいたくないと言っていましたよ。」
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 このような返事です。1年生の成績が記載されている指導要録を見てみると,確かに算数の内容が全く分っていない状態でした。

 様子を観察すると,クラスの友達からは,「できない子」として見られ,自分でも
(算数なんて分らない。分らない。)
とつぶやいたりして,やる気が全くありません。

 算数プリントを渡すと,私の顔とプリントを代わる代わる見ては涙ぐむのです。
(よほど算数が辛いのだなあ。)
と思いました。

そこで,この倫子(仮名)さんに算数の楽しさを分ってもらおうと,手立てを考えました。

【倫子さんの算数好き好き大作戦】
手立て(1) 倫子さんの気持ちを聞く中で,「私はできる子だ」という気持ちにする。
 昼休みに,倫子さんに教室に残ってくれるように話し,こんなやりとりをしました。
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「倫子さんは,なにが得意なの?」 
「図工だよ。いろいろ切ったりして作るのが楽しいもん。」
「算数はどうなの? 分らなくって困っているのだね。 」 
「算数は,1年生の時に分らなくなったの。大嫌い。」

「勉強はね。嫌いと思うとどんどん嫌いになっていくんだよ。好きと思うと好きになっていくんだよ。友達でも
『あの子,嫌い。』
と思うと話もしたくなくなるでしょ。でも,その子が何かで優しくしてくれてから好きになることもあるよね。倫子さんの気持ちが大切なんだ。算数が好きだといつも思うんだ。そうすると必ず好きになる。」 

「でも,算数難しいよ。」
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「先生が,倫子さんに分るように,ていねいに教えるから頑張ってやろうと思うんだ。この気持ちがないと,いつまで経ってもできないままだよ。これから3年生,4年生,5年生,6年生,中学生と分らないまま過ごすのは悲しくないかな。」 
「そりゃそうだけれど,できないもん。」

「先生がちゃんと教えてあげるから,『私はできる』と思って頑張るんだ。倫子さんが
『私,算数得意。』
と絶対に2年生の終わりには言う子になっているから。授業で分ったら必ず,手を挙げるんだよ。」 

:「分りました。頑張ってみるね。」
 このような会話になったと記憶しています。真剣に,
「あなたはできる子。やればできる。」
と信じさせたのです。


手立て(2) お母さんと懇談をし,お母さんに真剣に努力してもらう取り組みを伝える。
 その日に家庭訪問をしました。お母さんと次のようなやりとりをしました。
「お母さんは,倫子さんの今の算数の様子をご存じですか?」 
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「1年生の時と変わっていないと思うので,また保健室に行っているんですか? どうにかならないかと思っているんですけれど,難しいですよね。」

「私は努力するつもりですが,後はお母さん次第です。」 
「なんとかなるのですか?」
:「これからお話しすることをしっかり理解していただきたいのです。大人もそうですが,好きな人に期待をかけられると嬉しくて頑張れます。頑張ったことを褒められると一層努力できます。倫子さんは,私が見ている限り能力はあるのですが,親の期待に応えようという気持ちはありません。上手に褒めていらっしゃいますか?」 
「褒めるといっても,算数はできないし,これといって頑張っていることもないので,あまり褒めたことがありません。」

:「では,これからお話しすることを実行していただけますか? 必ず算数ができるようになります。お母さんの我が子の力を引き出したいという強い気持ちがあるかです。倫子さんは頑張れる子です。親のほめ方,次第です。
 今まで,できないことをいっぱい言われたと思います。それが潜在意識という心の奥底に貯まっているのです。その悪い言葉がけを止めて良い言葉がけだけにするのです。できますか?」 

「先生が倫子は変わると言われるのなら,やります。」
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「では,次の3つのことを必ずやり遂げてください。これをやっていると,1ヶ月くらいで変化が出てきます。半年もすれば,倫子さんのことで相談したことがあったわねと笑えるくらいに変わっていると思います。やってもらうことは,次のことです。

今日から決して,
「倫子は,算数ができない。」
と思ったり言ったりしない。

夜,倫子さんの寝ているところに行き,寝しなに小声で,
『あなたは算数が大好きだ。算数が好きだからどんな問題でもきっとわかる。よくできる。』
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と10回言って聞かせる。
(潜在意識に入れていくのです。)

夕食の時,家族みんながそろっているときに
『この頃,倫子は算数がとても好きになったんだって。それでよくできるようになったんだって。』
とみんなに聞こえるように言葉に出して,言ってあげる。」



「必死で頑張ります。」
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 この3つについてお母さんはうなずいて納得してくださいました。


手立て(3) クラスで,倫子さんの算数のできる姿を意図的に紹介する。
 クラスの子が,倫子さんの変化を認めてくれないと,話になりません。
「今日の算数で,何か気づいたことなかったかな?」 
「倫子さんが,保健室に行かなかったし,しっかりと聞いていたよ。」
「そうだね。倫子さん,今日から算数を頑張ると約束してくれたんだ。みんなも応援してあげて欲しいです。」 
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「はい。」
 嬉しそうに倫子さんは,聞いていました。初めはよく分らなくてもノートをとったり自分でやったりするように仕向けました。初めは難しい問題はまだ解けなかったのですが,簡単な問題から解けるようにするために,意図的に易しい問題を出し
「ほら,できたじゃないか。倫子さんはやっぱり算数ができるよ。」
などと,個別に話したり,黒板に書かせ発表させたりしました。 
「倫子さんすごいね。やる気が出てきたね。」
などと友達が言い始めました。
 これを繰り返していると,難しい問題にも挑戦できるようになり,徐々に正解が多くなってきました。


手立て(4) 家庭に学校の様子を伝え,家庭でも褒めて自信をつけてもらう。
 こんな姿をお母さんに逐次,放課後お知らせしました。
「お母さん,今日は倫子さんは自分で問題を解くことができましたよ。クラスのみんなも褒めていますよ。」 
「ありがとうございます。うちでもいっぱい褒めます。」
「お母さんが,3つの約束を守って努力されていることが,学校での姿に出てきています。頑張ってくださいね。」 
「頑張ります。」
 学校では先生や友達に
「算数できるようになったね。」
と褒められる。家に帰れば,家の人にも
「算数頑張っているじゃないか。できるじゃないか。」
と褒められる。倫子さんは,自分でも
(私って,何だか算数ができるようになったかなあ。)
と思い始め,嬉しくなってきたのです。

 こうして,毎時間訴えていた頭痛もなくなり,授業にも目を輝かせて参加するようになり,どんどん理解力がついていきました。
 1学期が終わるまでには,2年生の学習内容が理解できるようになっていました。
通知表を渡すときに,
「先生,私,頑張ったでしょ。算数好きになったよ。先生ありがとう。」
といってくれました。お母さんに電話してこのことを伝えると,電話の向こうでお母さんの声が涙ぐんでいました。

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 どうでしょうか。この倫子さんのお母さんは3つの約束を守り通して,倫子さんを「算数ができる子」にしたのです。いかに担任との連携が重要なのかが分っていただけたと思います。担任に
「我が子のちょっとした良いところを伝えてください。」
とお願いすれば伝えてもらえるものです。あとは,家庭で3つの取り組みをすれば,国語だって,英語だって向上するのです。

 一旦自信を失うと,このように取り戻すのにとても労力がいるのです。自信を失わせないようにして3つの約束を実行すれば,さらに,向上します。我が子の力を褒めてうんと引き出してください。

447. 自分の周りの環境は自分で創っていることを知っていますか?

2020.04.14 19:00|学校教育との連携
我が子に自分の周りの環境は,自分で創っていることを教えていきましょう!

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 子ども達の中には,自分の行動を棚に上げて,友達を非難する子がいます。琉生(仮名)さんの場合は,
「悠人(仮名)君が,ぼくの悪口をいつも言ってくるので,頭にくる。」
などと言って来ました。よくよく2人や周りの子から話を聞いてみると,実は,言われる側の琉生さんに原因があったのです。

「ぼくは,みんなと意見が違うからぼくの好きなようにやる。」
などと,自分の好き勝手をしていてみんなが困っているので,悠人さんが代表していつも注意をしていたのです。

 この琉生さんは,自分の嫌な出来事(環境)は,周りの人が意地悪で自分のことを考えてくれないことから起こっていると考えているのです。この文章を読まれている方は,琉生さんが間違っていると分るのですが,当事者は分らないのです。

 大人の場合でも同じことです。自分にとって嫌なこと,困ったこと,辛いことなど良くないことが起こってくると,人は,
(どうして,ぼくだけにこんなことが起きてくるんだろう。)
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(どうして,私はあの人にこんなことをされなければならないの?)
などと考え,恨んだりやけになったりするものです。

 でも,本当は自分が原因を創っているんです。自分の周りの環境は自分で創っているのです。これを反省しないといつまでも同じことが続きます。


【自分が自分の環境の原因を創っている?】
 次のことで,我が子に自分を振り返らせてみてください。
□(1)自分のことしか考えずに行動をしていないか。
 自分のことしか考えない子は,周りが当然,嫌うのです。
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そのことを親や周りの人が教えないと自分勝手だということにも子どもは気づかないのです。
そのまま大人になると大変です。そんな大人も多いのです。


□(2)友達など周りの人の気持ちを考えているか。
 自分勝手だと当然,友達の気持ちは後回しになります。その他に,他人の気持ちに配慮できない子がいます。小さいときから
「あの子は,どう思っていると思う。」
などと,その子の立場で考えることを教えられてきていない子がいます。また障がいをもっていて考えることが難しい子います。そんな子こそ,繰り返し温かく教えるのです。
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□(3)自分は被害者だと常に思っていないか。
 被害者意識を幼いときからもっている子は,自分を優先してもらえないと,周りを悪く言います。被害者という意識が染みついています。こんな子は,みんなが“触らぬ神にたたりなし”の諺のように避けるのです。
 幼いときに被害者意識をもたせない温かい接し方がいるのです。
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□(4)友達は思いやりがないと勝手に思っていないか。
 友達は自分のことに気を遣い配慮してくれているのだけれど,現象の裏の配慮や心遣いを自分が分らないために,
(みんなは,冷たいやつだ。)
などと勝手に思っているのです。幼いときから,

「お父さんは,あなたに冷たく言っているように思えるかもしれないけれど,あなたが失敗しないように○○のように気を遣っていてくれるのよ。」
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などと,見えない部分を絶えず夫婦で補って話しておかないと裏が読めない子になってしまいます。


□(5)自分が全て正しいと慢心(自慢していい気になること)をしていないか。
 ちやほやされ過ぎたために,常に自分が正しいと勘違いをするようになってしまっている子がいます。こんな子は,空気が読めない子になっています。いわゆるKYです。
溺愛をしない家庭にしなければなりません。
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 自分の周りの環境を良くし,楽しい生活にするには,自分のことを大切にしながらも友達の気持ちに配慮できなければなりません。また,被害者意識でいると暗く人が近づきにくい雰囲気を自ら創ってしまいます。そして,謙虚に友達の意見を聞き,みんなで相談をしてより良いものを考えていくようにすれば,自分の周りは快適になってきます。

 つまり,自分は素晴らしいんだ。友達も素晴らしいんだ。だからこそ,お互いの良さを見いだしていこうとすることが,根本なのです。そこに,①「認められたい」,②「褒められたい」,③「愛されたい」,④「人の役に立ちたい」,⑤「自由でありたい」という子どもの5つの願いが満たされてくるのです。

441. あなたは,きょうだいを共に伸ばす「夢の言葉」をご存じですか?

2020.04.08 19:00|学校教育との連携
きょうだいを共に伸ばす「夢の言葉(助詞)」とは,「も」なのです!
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 担任をしていた頃,こんなことがありました。
T:「藤谷(仮称)さんは,今日,こんなすごいことをしていましたよ。
それは,1年生の男の子2人が喧嘩をしていたときに,


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『あなたたち,どうして喧嘩しているの? 友達じゃないの? 友達って気にくわないことがあったら堂々と思っていることを言うものよ。喧嘩したって心は通じないのよ。』
と,2人に話しかけ,2人の言い分を言わせて仲良くさせている3年生の女の子がいたのです。

 その様子を藤谷さんが見ていてびっくりして,その女の子に,

『あなたってなんてすごい子なの。6年の私でもできないわ。』
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とほめていたんだよ。

 人は,自分より年上の人の素晴らしさを見て感動することは多いけれど,自分より年下の子の行動がすごくても認めたくない子が多いだろう。何か負けた気がして。でも,藤谷さんは

(あの子は,すごい。)
と純粋に感動し,その子に声をかけてほめていたんだ。

 それを見ていて,先生はぜひ,みんなに話したいと思ったんです。
 クラスのみんなも藤谷さんのように,“良いものは,よい”と感じる素晴らしい見方ができるので,頑張ってほしいです。」
と帰りの会で紹介したのです。そうしたら,ある子が,

「先生,『クラスのみんなも』ということは,ぼくらも必ずできるということですね。」
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と嬉しそうに言ってきたのです。
 この『も』は,『あなたもそうなのよ』という良さを広げる言葉なのです。

 私は,お母さん方に
「きょうだいがいる場合は,この『も』をとにかく意識して使ってください。」
とお話をしてきました。

「妹の有実(仮称)さんが,お手伝いをしてくれたら,
『有実も優しい子ね。お母さん嬉しいわ。』
と言ってください。そうすると,お兄ちゃんは『有実も』ということは,
『ぼくも優しいとお母さんは思っているんだ。』
と思って優しさをどんどん出してくれますよ。」
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「お兄ちゃんがテストで良い点を採ってきたとき,
『お兄ちゃん,今日のテスト100点じゃない。お兄ちゃんも有実も頑張っていてくれて,これからも楽しみだわ。』
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などと言ってください。そうすると有実さんは,
(私のことをできない子とお母さんは思っていないんだ。よし,頑張ろう。)
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と思うんです。試してください。」

 こんな言葉がけを実践してもらっていると,お母さん方が必ず言われるのは,

「『も』を使うようになってから,きょうだいがお互いを悪く言わなくなってきました。」

「『も』を使うようになったら,ほめているときに他の子が嫌な顔をしなくなりました。」

「『も』を使うことで,みんなで頑張ろうという雰囲気になってきましたよ。」
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というように,家族の人間関係が温かい雰囲気に包まれるようになるのです。
「も」は,きょうだいを共に伸ばす「夢の言葉」,「夢の助詞」なのです。

 子どもの5つの願いの中に,①「認められたい」,②「褒められたい」,③「愛されたい」がありました。
 この3つをきょうだい共にかなえてくれるのが助詞の「も」なのです。どんどん使っていきたいものですね。

430. 思い通りにならないと気が済まない子の改善方法!

2020.03.28 19:00|学校教育との連携
もし,我が子が思い通りにならないと気が済まない子なら,こんなことをしてみませんか?
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「“ハトのエサやり男”執行猶予期間中にまた暴行…懲役1年2カ月の実刑判決 名古屋地裁」
 こんな見出しで,次のような事件が報道されました。

 
 名古屋市の64歳の男性被告は,去年11月に公園でハトの餌やりを巡ってトラブルになった男性と仲裁に入った男性2人に暴行を加えて鼻の骨を折るなどのけがさせたのです。
 地域住民は,この被告がまいた餌の片づけに以前から苦慮していての注意でしたが,
「一方的に怒りを募らせた身勝手な犯行。」
と裁判官は指摘しました。
 さらに,その被告は,3年前にもハトの餌やりを巡る傷害事件を起こしていて,犯行はその執行猶予期間中のものだったのです。
「被害者らに責任転嫁するかのような供述に終始し,自身の問題性に十分に向き合えているとは言えない。」
という理由で,懲役1年2カ月の実刑判決を言い渡されました。
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 このニュースを聞いて,
(変わったおじさんだなあ。)
くらいに思われたのでしょうが,この人のような子は小学校の時代からいるのです。裁判官の言葉の
「被害者らに責任転嫁するかのような供述に終始し,自身の問題性に十分に向き合えているとは言えない。」
 親が,このことを小さいときからさせてこなかったことで,この事件となっていると思います。私が担任した子にもこうした子はいました。でも,親と連携して次のような取組をしたことで,1年以内には,そうした姿はなくなりました。


【どうして,こんな大人になってしまったのでしょうか?】
 親が,“小さいときからさせてこなかったこと”を考えてみましょう。

(1)多面的な見方を教えてこなかった。
 物事には,いろいろな見方があります。自分はこれがよいと思っても,他人はそれがいけないと思うことが多くあるのです。その際に,じっと立ち止まって人の言葉に耳を傾け,よく考えることができるかです。

(おれの考えが,正しいんだ。)
という独りよがりではいけないのです。小さい子は独りよがりがよくあります。そんなときに,親はいろいろな考え方を教えなければいけないのです。例えば,今回の公園でのハトへの餌やりでは,

「ハトはお腹がすいているので,餌をもらうと嬉しいね。だから,寄ってくるね。それを見ると餌をあげている人は,自分は良い人なんだと嬉しくなるね。」

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「ところが,違う見方をするといろいろと問題があるのだよ。
1つには,ハトは全部餌を食べずに食べ散らかしていくと,誰が掃除をするんだろうね。この餌をやった人はやりっぱなしで帰って行っているよ。

2つには,ハトがこの公園に餌を求めて集まって来るということは,フンを巻き散らかしているんだよ。ひょっとしたら歩いている人の頭にかかってしまうこともあるね。お父さんも,そんな経験があって嫌だったなあ。

3つには,自然界で生きている動物は病気を持っていることが多いんだ。だから,鳥インフルエンザがうつることを恐れたりするんだ。ハトを集めるということは,そんな危険性をみんなに与えるということなんだよ。


4つめは,ハトは自然界で自分で餌を見つけて生きていく動物なんだ。このおじさんだって,これからずっと餌をあげられるわけではないんだ。このおじさんが来なかったら餌がなくなるんだ。ハトは死んでしまったり餌探しでとても苦労したりすることになるんだ。

5つめは,自分の都合で周りを振り回すのをエゴと言うんだ。つまり,このおじさんは,ハトに餌をやって自分が楽しみたいというエゴなんだよ。
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 こんなことを小さいときから話す中で,いろいろな視点で考えた行動をしなければいけないことを教えるのです。今回の事件で早速,話してあげてください。


(2)自分の感情の押さえ方を学んでこなかった。
 人はつい感情的になってしまうことがあります。でも,その感情を暴力といった行為で現し,人権侵害となってしまっては話になりません。感情の高ぶりはあったとしても,それを押さえる大人の対応を学ばせないといけないのです。
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 詳しくは,「120. あなたは,感情のコントロールを上手くする『5つの習慣をご存じですか?』」で,詳しく述べてありますので,これを参照していただけたらと思います。


(3)自分に今,“自信のあるものがない”から精神が安定しない。
 現在,この人は生きがいがないのでしょう。定年を迎え,取り組むことがないのかもしれません。
朝や帰りに小学生や中学生のために,横断歩道や登下校道路で安全パトロールをボランティアでしていらっしゃる方が多く見えます。頭が下がります。
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道ばたで心ない人が車から捨てたゴミを拾って歩いている方があります。

生きていられることを感謝して神社仏閣のお掃除を毎日,行っている方があります。

自分が現役の時に身につけたスキルを生かして,社会に情報発信をしている方もあります。
 どんなことでもよいので,生きがいをもち,自己有用感をもたないと,精神が安定しないのです。
 我が子に,何かに打ち込んで自信をもたせることが,今後の生き方につながります。


(4)人の話を受け入れられる度量がない。
 他人の言葉を受け入れる寛容さや広い心がないのです。これは,自己中心主義で生きてきた人には難しいことです。
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 だからこそ,他に配慮できる“本来もっている姿”を引き出さなければならないのです。詳しくは,「428.どうして,周りの迷惑に気づかないの?!」で紹介をしています。


(5)先の見通しがもてない。願いがない。
「人を殴ったら傷害罪になる。」
「今は,執行猶予期間中だから事件を起こしたら実刑になる。」
こんなことは,ちょっと考えたら誰でもわかることです。日頃,しっかりと自覚し,
(今後,どうしようか。)
と考えていれば分ることです。
 つまり,この人には将来の夢,願い,目的がないのでしょう。人生100年の時代です。
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「将来,現役の仕事を辞めても,自分が満足できて充実感があることができるように将来を考えていくことが大切なんだよ。お父さんは,田舎でコンピュータを使った農作業を今している仕事を生かしてやってみようと思っているよ。」
などと,我が子にもいかに今や将来を充実して生きるかを話し続ける必要があるのです。
 我が子が,定年後も如何に自分の生きがいをどこにもつことができるかを語り合っていかなければいけないのです。小さなことでもよいので,どのように人のために社会貢献をしていくかを語り合っていただきたいのです。それが将来,花開くのです。

 “我が子が思い通りにならないと気が済まない子”ということは,反対に考えれば“意志が強い”ということです。その意志の強さを大切にしながら,
「こうすることが一層,あなたの力を伸ばすことなのよ。」
と,上の取組をしていけば,必ず,誰にでも受け入れられる素敵な大人になっていくのです。
プロフィール


名前 : 英ちゃん(柘植 英次)
趣味 : 読書・魚釣り
教育関係履歴:岐阜県の教員
教頭・可児市主任指導主事・校長を経験

家庭教育法について情報発信中

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